(研究者)グスタフの認識
3人目
俺の紹介は簡単に済む。
両親の死から、ドワーフの祖父と育つ。
研究をしたいとの志から、冒険者としてフィールドワークから入った。
恵まれた体格も活かせる、最初の資金集めには良かった。
今は、採取に行くも依頼を出す側のが多い。
いつものように、部屋に篭って研究していたが
極北の城に行く時期と便りを貰い
パートナーの家から、ここまで例年通りにやって来た。
北部の植物は、量こ採取できないが効能は一目置ける。
魔力量や内包成分の組み合わせに、薬学の新たな道が見えそうだ。
俺にとって研究部屋があり、医師との意見交換もできる環境は好都合だ。
今回も商人に向けて、この地域に自生する植物の知識共有をする。
講義には、顔見知りの商人たちが参加した。
これもいつも通りと出席予定者を確認していた。
「グスタフ、チョット良いカシラ?」
商人で冒険者のシュルトだ。
この時期にここで顔を合わせる、顔馴染み。
俺が高圧的な背丈で遠巻きになるが、
シュルトはこの口調で目立っている。
情報の扱いや商品を手に入れる際に世話になっているが、
ちょくちょく、頼まれ事が舞い込んでくる。
今回もそうだろう。
「講義に参加させたい子がいるんだけど、この子。」
資料が一枚。鑑定結果の紙か。
「構わんが、何か問題があるのか?」
理由を聞きたい。シュルトが関わるなら厄介事か、お節介だ。
「この子の、出身地がわからないかなーって、ね。」
お節介の方だな。
「話はできるのか?」
子供に威圧感を与えるらしい。だいたいは泣かれるのがわかっていてか?
「その子、セリって言うんだけど。肝が据わってるからダイジョウブよ!」
「・・そうか。」
まあ、泣かれたらしょうがない。
「多分だけど、ココより北で森に近いところじゃないかって。」
「根拠は何だ?」
「食べられる草とか詳しいのヨ。本人は孤児院でシスターから簡単な調合から色々教わったって。」
(子供の手伝いなら、回復系統の植物ならわかりそうだな。)
「ソコは嘘じゃないと思うワ〜。ケド、色々規格外な感じよネ。」
(調合を習っているなら、魔力の扱いもできるか?)
「まだ警戒心がすっかりなくなってなくても、可愛いだけじゃなくって
しっかりしてるしぃ…」
「そういえば、年齢なんだ?」
「12歳ヨ。」
冒険者なら初心者くらいか。




