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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第二幕 城外
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序章

カクヨム様で書いている話の第二章から先行投稿です。

(序章) その手を掴むか決めるのは、わたし。

部屋付き、狼一匹を飼っている暮らし。


とは今の状況。

そんな暮らしは、ここ最近に始まった。


わたしの名前はセリ。

育ちは孤児院で、戦を仕掛けている国に強制され、新兵として砦で働き生き延びていた。


実戦経験はないものの、この極寒の地で食料確保の魔物狩りなどには同行していた。秘密にしていたが、魔法が使えたから。


その砦の上層部は貴族が人族至上主義と言われる国も人間。


実情は、北の地に逃げ込んだ一部の人間たちと言うのは、

本や商人から知った知識だ。


(たしかに、碌な人間ではなかったけど。)

その事情でも驚きはなく、教義的なものにも納得いくものはない。


育った孤児院での教えを胸に秘めて、生き延びる日々だった。


それが今や、極北の城と呼ばれる場所にいる。

ここは治療目的や、修行研究を目的として人が集まり

寒い時期を乗り越える場所らしい。


砦で仰々しく飾られていた砦の地図には、

なかった建築物にいた時は、現実感がなかったものだ。


ここに来たきっかけは

行軍中と言っていいのか?ある地点の下見に雪深い森を歩いていた時、魔物に襲われたこと。


目撃事例のない大型の魔物に、横から突っ込まれた。

その興奮状態は必死に逃げていたから、らしいと後に知る。


その追手は、竜人ロード。

体格の良さは軍人らしいその翠色の髪と、悠々と大物の得物を振り回す。


その姿は、わたしは気を失っていたので聞いた話だ。



その男に捕まったが、捕虜の扱いではなかった。

“番”

獣人の求める唯一の存在。


その信じきっている様子と執着めいたものは理解できないが、逃げられないのはわかった。


隙のない動き、あの魔物を仕留められる腕前から逃げられる未来はない。


環境も良いので、傷を癒やし、腹を満たした。

そこで沸き起こったのは、知識への渇望。


砦に帰りたいとは思わない。もともと強制的に連れて行かれたようなものだ。

だけど、孤児院で無事だと顔を見せに行きたい。

皆の無事も確認したいところだ。


それには、大森林を抜けた孤児院へ行く帰路が問題。


ここの采配を振るう議長は、ロードの番であるわたしに知識を得る事を求めた。


この好待遇は、

戦中の敵国であることが分かった時、どういう扱いになるだろうか?

それが心配事。


番というのは、大砲を手にした扱いだって。

会ったばかりなのに?

と警戒していたものの、当のロードの様子は懐いてる大型獣?


年齢で気にかけてもらうことはあっても、優先されることがない環境だった。少し、こしょぐったい気持ちがセリに芽生えている。


ロードの滞在する部屋で暮らし、

シュルトという商人が御用聞きをしてくれている。

ここで人間は珍しい。


護衛がつき、狼獣人のカナンが毒物の混入の問題や襲撃者を向かい打つなど協力的だ。


まだ秘密を持っていたいが、12歳だというのはバラした。

何故か、年齢より幼いと思われることが多い。


体格差だと諦めた。


キースと呼ばれるお偉い人らしい方に、鑑定魔法で確認され、

薬草の研究者、グスタフの話からおまじないに興味が持たれる。


ロードの部屋でのお茶会を開き話仕込むほど。


セリが狙われたことで、若い兵たちを捕まえる囮になったりと

じっとしてられなくなってきた。


それでもまだ、兵として砦に居たことは黙っているつもりだ。

来た当初の格好は軍のものだが、品がない土地では軍の服が流通していた。


(ただの子どもと思われている筈だ。)


周りからは

“あの魔法の練度は普通じゃない。”

“あの度胸で?ただの子ども”


と思われる疑問符だらけのセリだが。

ロードの番である事実に霞んでしまった。




“セリが敵国の兵だった”

と言う事実は、獣人社会のこの城でどんな不和を響かせるのか。



そんな、捕虜じゃなく番として捕まった、女の子の話。


各キャラの話をこのサイトオンリーの部分として掲載予定です。

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