17-精霊の石
すっかり話し込み、酒が切れたところでやっと寝床に戻れた。
セリを寝かしつけたかったが、引き止められた。セリの今後の話であれば参加せずにはいられない。
セリが居ない話し合いが必要か?とも思うが、子供の成長には色々考えておくことも多いらしい。
(結局、酒を肴がわりの話な気もするが。)
セリに成長に、他の関わりは必要だ。本能は、“閉じ込めておきたい”。『今ではない』と先延ばしにできている、現状だ。
ロードが、寝床に来るとセリの寝顔を見た。気配というほどではないが、気になったので上掛けの中を見る。
このくらいなら、セリは気づかないのは知っている。全て知りたいのだが、
セリの手に精霊が入った石を持っていた。寝る前に話しかけていたのだろうか?その姿を見れなかったのは惜しい気がする。今度、一緒に寝床へ潜れば見られるか。
実行を決心する。
ロードは暗闇でも見れる目を持っているため、セリの表情も見れるのだ。
徐に、持っている石をいつもの場所に置こうと持った。
指先からは精霊が入っているとは思えない存在感だが、細やかな力で魔力を吸収している感覚がある。
気のせいか?というくらいの動きだ。
「俺の魔力は合わないか?」
グスタフは、こいつが中級の精霊くらい育っていて意思疎通ができると言った。力が再び蓄えられたら、と。
セリの魔力を受け取っている存在が気に食わないのは、独占欲のせいだ。
反応を返すほど、力は蓄えられていないのだろう。
なんとか、俺も魔力も使えないものか?
そうできれば、番と一緒にやれる事が増える。それだけを考えた。
ロードにとっては、精霊の希少性などただセリの興味を引いたものでしかない。ロード自身より大切でなければ、後は安全性の問題だけである。




