13-愚痴飲み
「ヤッパリ、同じ年頃の子と育つのは大事ヨネ?」
「あー、力が均衡する組手の相手がいるとが楽だよなー。」
シュルトが言うのは、情操教育の方面だ。カナンが想像するのは能力の向上。この辺は、人と獣人の違いだろうか。
教育をひと通り学ばせる。身体能力は育っていく過程で身につき魔力の使い方をじっくり教える方法だ。
獣人に場合、体を動かして学ぶ方を好む。じっとしているのが苦手でも親の仕事から学ぶ事もできた。
セリは仕事をしていたので体力的にはかなり鍛えられている。そうであれば、座学の方に力を入れても良いと思うが。
「加減して相手すれば良い。」
ロードが許すか、いやロードが耐えられるかだろう。その懸念が一番大きい。
「経験ってのも大事だろお〜」
番を離したがらないのも分かるが、セリのためにならないなら改めるだろう。
「本も好きそうだし、本格的に勉強できる環境に入ってみたラ?」
キースが口を挟んだ。
「そーなると、魔術院?」
「騎士学校には、入れないでデショ。」
「仮入学してみる、か。」
グスタフだった。
「講師に勧誘されてるんだったっけ?」
「ああ。」
魔素の影響について調べているグスタフは、研究者として名が知られている。学園からの誘いも多い。
本人は、フィールドワークをしていて断っていたが。全てを断るのも面倒だ。
キースが呼ばれる事も多いが、権力目的なのが鼻につく。転移魔法を1人で展開できるなど、魔術師として優秀だが金と権力に目が眩む者は面倒だ。
「僕が行ったら、面白いかな?」
面白そうなら、多少の面倒なら構わないと思う性質だった。
「セリが興味を持ったらな」
確かに、セリに聞いてみるのが一番だが。何かと気にかけたくなるのも本心な保護者達だった。




