10-香り
サウナに興味はわかないセリだが、使う植物は気になった。
「バッサバッサ、仰ぐんだったか?」
「湯気に香りづけするんじゃなかったカシラ。」
「それなら、オイルを垂らすんじゃない?」
それぞれが、イメージしているものが違う気がするけど。主旨は同じかな。
「香りを良くする」
風呂で香りの良い木を使い理由を思い出す。高貴なご婦人は、花を浮かべたり香りを入れてお風呂に入るにだとか。
本で読んで知った。
あんまり入れると、スープみたいになるんじゃないだろうか。薔薇のスープ。どこかにありそうだな。
「薬効は、リラックス効果。温まる効果だろうな。」
薬湯を回復薬のようにするのは成功したが、今度は気分を変えられるものを考えようか。
「大人数向けじゃないけど、個人的に使うなら、楽しい?」
香りを重視する時は、好みに合わないとね。
「そう、柑橘系なら寒冷地で好まれるって聞いたかな?」
「あ〜、獣人は苦手なやつ多いなあ。スッキリするのとかおもしれーのは、色があるやつ。」
「酒の香り、か。」
それは、お酒を入れたお風呂な気がする。セリが作るには難しいだろう。
酒の匂いで酔いそうだ。グスタフも作らせる気はない。自身で作ってみようかと思いついただけだ。
「ワタシは、甘い香りも好きヨ〜、薔薇は定番ネ。」
それぞれ好みが分かれるらしい。セリは、濁っているのとか色が変わっているものが面白いと思う。
「作れたら一緒に入って試そうな?」
なんの抵抗なく、セリと風呂に入る約束を取り付けたロードだった。




