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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第八幕 訪れた北の砦
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第三十八話 ゾロゾロ

近くの印をつけた場所に着いた。何もないのを確認する。


「ホント、ただの部屋ネ〜。」


シュルトも付き合ってくれるが、目に見えて何かある訳ではない。それは、セリも知っていた。


一応、自身でも探ってみたのだ。


壁を叩いてみたり、水魔法を当ててみたりもした。


特に、精霊ちゃんの反応が違わないか確認しようとしたけど。

疲れて動けないような感じがしたので、セリがウロウロするだけで終わった。


つまり印にある場所は、“セリが気づく変化はない場所”だ。


カナンは入り口で待機。飽きたとも言う。4人が入った部屋は狭いのも確かだった。


ロードとグスタフが揃うと圧迫感が違う。グスタフは慣れた様子で魔法を使っている。薄暗い部屋でも魔力の流れがわかった。


ロードはセリの姿を目で追い、離れそうなら距離を積めた。


(保護者より追跡者ネ)


入り口付近で待っているシュルトが思う。

動きが素早いのも、怪しさを増していた。


この位置なら、何かあっても逃げられる。この中で安全な場所。


グスタフは土魔法で防げる地の利があり、セリにはロードが必ず守る。

ここでもし土が落ちて来て、なす術もなく埋まるのはシュルトだけだ。


カナンは素早く、退路の確保に動くだろう。


「どったの?」

「ン〜。ワタシの守りも強化しないとなーッテ思ったのヨ。」


「ソウ?セリちゃんが気にするから、気をつけているんだけど。」


「アラ、ビップ待遇ネ」

「まあ、セリちゃん優先だけどねー。」


生き埋めになっても助けが来るらしい。ちょっと気分が上がった。



グスタフの行動は採掘だ。土魔法で、鉱石を探すのを眺めるセリはそう結論づけた。


精霊ちゃんの様子を見て、特に変化はない。昨日頑張ってくれたので、しばらくは反応がないんじゃないかとさえ思う。


グスタフと話したが。口数は少なめだったが、酔いはないらしい。

“石の対価は、不用。”


精霊の保護をしたい。相性の良い者への支援は当たり前なんだとか。


セリはお礼になる事を考えて、精霊ちゃんの様子を報告する事。お守りを作る約束をして、返す事になった。


グスタフの研究関連の事になったけど、邪魔にはならないだろう。


撫でられた。


ロードとは違う感じが、なんか照れる。


その後、ロードにしっかり撫でられた。

カナンも参戦して、騒がしくなったけど。髪がボサボサになったのでシュルトがたしなめて終わった。


そんな部屋を出る前の事を思い出していると、グスタフの作業が終わった。


採掘する上での状態を見たらしい。もう1ヶ所も同じように終わり兵士用の食堂へ向かった。


「早いけど飯だー。」


食事自体は、同じものを食べていたが、ここの食堂でははじめてだった。

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