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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第八幕 訪れた北の砦
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第三十話 速決定

洞窟で見つかるものは魔石かもと小石を拾いながら、部屋を制覇する勢いで、巡った。


「魔石、困るか。売れないし。」

「シュルトに渡せそうなもの…食糧か?」


商人としての印象が強い上に、ロードに関しては食事の担当。お土産を考えるのにも、管理してくれている商品の印象が勝った。


「んー、肉は外に出ないと狩れない。」


“セリの悩む姿も可愛い”とロードが眺めながら、決まる気配はない。その様子を見ないフリするカナン。


(オレは、寒い思いをしたくない。)


光が灯る魔導具が点々と使われ、温かい洞窟内。氷魔法の魔力で冷気がくれば寒い。ロードの半分くらい無意識な威圧と共に漏れ出てくる。


セリに気づかれないのと、冷気が向いかないのが流石の技量だ。


ちょうど地図を広げていたカナンの手元をセリが気づき、ーのぞかせてもらうと。赤い印がつけてあった。

「これ何?」

「落盤注意の場所〜。」


土魔法で補強してあるらしいが、近づかないよう北の砦に近い箇所だった。


「氷魔法で解決できる。行きたいなら構わないぞ?」


ロードがいれば問題ないのは確かだが、後始末が面倒だな。多分全部凍らせる。カナンは希望を見ようとセリに向いた。


「用はないね。」


助かった。氷を始末する仕事は、回避だ。


結局、進みながら考える事にした。ドワーフの居住区では兵士達の在留地だ。見た事ある顔もいた。カナンが所属していた、情報部はいない筈だが。


駐屯する兵士が、住めるようになっていた。洞窟内に慣れず、外に行く兵士も居たのだが。概ね平和な生活を送っている様子。


「酒屋?」

「貯蔵の酒を売っている。」


机と、壁をくり抜かれた棚に酒が並ぶ。

元々あった場所で酒は絶対に保存しておくという、規則らしい。


ドワーフの暮らしには、お酒を重要視しているのだろう。


「シュルトへのお土産になる?」

「保存が良い酒、食べ物も買えるよー。」


ちょっと弱いか。食べたいものがあれば、買ってくれるつもりのロードを見ながら再考する。


慌ただしく帰ってきた兵士が通り過ぎた。その後ろからのんびり、大きな声が。


「腑抜けとうな!」

「まあ、そういう年もあるんだろーのお〜」


兵士ではないみたいな独特の声はドワーフ達だった。技術者として来ていたらしい。


「よお。変わった所で会ったなあ!」


セリ達の生活区域は、奥の奥にある部屋だ。

こっちには食堂もあるが、部屋に運んで食事をしていたため会う機会はないと思われた。



「土産?きのこだな!」


洞窟きのこ以外のものを栽培しているらしい。見せてくれる事になり部屋へ案内に立ったのだった。


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