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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第一幕 極北の城
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第32話 依頼品

セリは依頼された品を持ち、

ロードとカナンを伴って、研究者グスタフの部屋に訪ねていた。


部屋の前で2人を見る、薬品や植物の臭いが苦手と聞く。

「匂い消し使ってっから大丈夫!」


嗅覚が敏感な人は持ってる塗り薬をカナンは使っているらしい。

「ロードは?」

「気合い」


やっぱ、臭いらしい。

「えー、なんかしてるダロ?」

聞き出したところ魔力で防いでいるとか?無駄に高度な使い方だった。


セリには慣れがあったので、平気だ。

懐かしいと思える匂いもある。


部屋の主、グスタフは気にしていないようだった。

「「麻痺してるんだろ」」

獣人はあまり近寄らない部屋に着いた。


少し質問を交え、図案などまとめたものを受け取ってもらい

小遣いを得た。


初収入である。


(買い物したいなあ)

雪を超えて行ける道具とお土産もあると、より良いけど。


今後は、付与が定着する素材の話を聞き、試してみる事になった。

“付与の魔道具”として

専門職もあるそうだが、秘匿されていたりするので研究の進みが悪い。


『個人の魔力から、汎用性のあるものを法則を導き出す』

のがグスタフさんの研究の一部らしい。


結び方、混ぜ入れるもの、染めや刺繍を施す物。

効果は、眠り、リラックス、守護などのよくあるもの。


『効果は抜群にいいけどね?』とはキース様の言。


それ以外にもセリ個人が試してみたいのは、お茶のブレンドだ。

材料の種類も量も必要で、今の環境でなければ難しい。


混ぜたり、潰してみたり、魔力で出だした水に溶け込む様は

おもしろい。


植物の根、木の芽などあるものでお茶を試しに作っていた。

本当のお茶の味を知った今は、お湯に味つけたものだ。


(香りが良いものなんだなあ。)

香りを覚えておこう。いつか再現できるかも。



部屋に帰り、本を読み始める。

(フルーツティーとか憧れる)

葉に香り付けしたもの、本当にフルーツを使うお茶があるらしい!


「果物か。乾燥したものならグスタフが持ってるんじゃないか。

交渉してみるか、シュルトに聞いてみるか。」



「ありがと」


お礼を言ったら抱きしめられた。


(チョロすぎて心配になるなあ。)

以前、兵士から男を手玉に取る方法(された経験談)と似た状況。

モテない男からの情報だけど、


このチョロさは心配だ。


そんなセリの心配は的外れだ。

ロードはセリにしか、こうはならないのだった。


それを知る機会がないので、わからずじまいだが、


カナンから

「マーケットがたつのそろそろじゃねーの?」

城に篭った生活に飽きないよう、イベントがある。


商人、手作りのものが臨時のテントで売られる

保存できる甘いものは、定番の売り物だ。


シュルトが来る時に聞いてみようと思った。

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