第七話 見解
「食欲はあるが、動いていないせいか量は少ないか?」
早々に食べ終わったセリは、ロードに寄りかかって眠そうだ。
そこにグスタフが帰ってきた。
「食べれる?」
「ああ。」
短いやり取りで、夕食を食べながらセリの様子を話した。
「他の要因、か。」
グスタフが思考を深める。
「洞窟が慣れねえ…とか?」
カナンが言っているのは、獣人でも穴ぐらに馴染まない者もいる。実際数人は、配置換えされた。
「今のところシュルトにも獣人にも、眠気はないみたいだけど?」
キースの把握している情報から、上がってきていない。
「ワタシも、ネ。」
人族で似た症状のでそうなシュルトも、体調の変化はない。次点でキースか?
「セリだけ、来てすぐってのがね?」
考える材料が少ない。
「オレといた時には大丈夫だったが、ロードが来て…か?」
眠気に襲われたタイミングだ。ロードとずっといる、来る時も一緒だった。
「カナンとキースには反応ナシ?」
シュルトの見ていた限り、5人と接点があって話せていた2人だ。
自身も外して良いだろう。
「ロードと俺には、反応があるのだろう。」
グスタフがこの部屋に居たのは、夕食の時くらいだ。ここに来てセリとはあまり話していなかった。寝てしまっていたのもあるが、仕事で管制室の方に居て顔を合わせていない。
「原因は洞窟だとして、セリちゃんだけ?」
カナンは側にいてもセリの異変、そのきっかけが思い当たらない。
「魔力関係、か?」
獣人の魔力は少なめだ。人族で多いとは言えないが、感知能力は高い時がある。特に魔力の属性が合う時。
「僕が違うって事は、火属性と合わない?」
「ロードが感知できないのなら、水属性に近いものでもないな。」
キースの特性、ロードの持つ属性に反応がない。グスタフは土属性だ。それでもないのなら…
「闇属性か。」
ロードか答えのひとつに行き着く。不思議な現象とされる事に妖精や精霊が関わると言われる。特に子供は影響を受けやすいというが。
眠ってしまうなんて事があるのか?
「ここは閉ざされていた空間だ。闇の精霊が眠っていたことも考えられる。」
「土属性とは相性が良いんだっけ?」
「太陽の光が届かない場所、だからな。」
精霊は場所に留まる。特に移動を好まない属性は共存することもあるが、存在を感じさせないことも多い。つまり、どこにいるかわからない。
「妖精、精霊の影響なんて出るもんなのかあ。」
町中でもそうそう、縁のない事象だ。
「内包魔力に影響を与えているのだろうな。」
「そーなると、馴染ませるか引き離す?」




