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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第七幕 雪解けの時期
319/411

第二十四話 川の流れ

以前行った、魔木のところから北地点。

風は冷たいものも感じるが、明るい陽射しが眩しかった。


(ここ数日、外にも出ていなかったし開放感)


まだ冷たい筈だが、装備とロードで問題なし。川風もテントで少し防ぐように位置していた。


そこには、グスタフがいた。


ちょっと仕事に集中している様子なので、見るだけ。

「どこででも書けるな。」


昨日ささっと準備ができていて今日、合流した感じ。

“何か面倒があった”という答えのようだ。


詳しくは聞かない、と思ってたけど。シュルトから解説があった。


(暇だもんね?)


「商人も講座を受けているのは知ってるわネ?」

セリは、商人達の方と衛生士の両方に参加した事がある。


「その時に、ロードが依頼を断るのは押しが足りないからだ!って騒いだそうヨ」


「つまり、グスタフに頼もうって押しかけてきたの?」


あの手この手で、やらせようと頑張ってる。


セリは微妙な顔をした。冒険者の又聞きした知識に照らし合わせると

依頼を名指しされても、断る事もできる。体調や依頼成功に足りないと判断すれば、断るのも冒険者の仕事。


“見栄を張って死ぬな”というメッセージだ。ちゃんと覚えているが、実際できるかするかは難しいところらしい。


標的になっている、今はセリの椅子と化しているロードを労うために撫でた。頬擦りで返されちょっと可愛いと思う。


もやもやしているのはもったいない。喧騒から離れられたのだと気持ちを変える。


温かい飲み物を飲み、遠目に川でカナンが釣りをしている姿を望む。食糧を増やすより、遊びでやっているので釣果は期待できなくても良い。


ロードと一緒、なにしようかなあ。

「散歩に行くか?」

「んー今日はやめておこう」


川の流れが聞こえる。

「急ぐ必要もないし」


コテっとロードに寄りかかる。

これも久しぶり?

「部屋にいる時と変わらずくっついてるねー」


気のせいだった。


「釣りはどうしたの?」

「仕掛けして放置。」


罠の方にしたらしい。改造版を考えようか?

魔物もいるので頑丈なのが良い。



皆、リラックスしている。作ってあるものに火を通して昼食。

「準備も楽できるワ〜。」

食糧に心配なく、温かい寝床。


魔物の警戒はあるものの、魔導具があって森に慣れた大人がいる。

(目一杯羽を伸ばせる環境だな)とセリは思った。


あれだけ安全安心の快適空間に居たのに。それよりも楽だと感じるのは、周囲にいる人の圧も関係するのかな?


お守り作りの材料を採取する。


ロードとカナンを連れ、散歩に行く。

夜釣りをしてみたり。


のんびりした時間が過ぎた。人の目に晒されていたのは思った以上にストレスだったらしい。


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