第二十三話 カトレア
騎士団への信用はないという態度にも見えるが。
『話す場を設けている』という事実が、“関係性を断っていない”事実で、
そう言った態度が大事ならしい。
猶予ととるのか、どうかも社交的な観点から言って“あまり良くない状況、最後通告をちらつかせる。
招待した、客人であるロードへの対応の悪さに繋がる。城の責任ある立場の者が役目を果たしていない、と。ロードの番であるセリへの配慮もその中に入るからだ。
怒っても良い扱いなのだが、セリには文句を言う先が違うと思う。団長は働きかけはできるが、今の状況で住民達に強行はできないし。双方とも帰らせた方が早いんだよねってセリでも思う。
(それほぢ深刻にしたくないけど)
セリには、ロードを使おうとする輩が気に入らない。本人が受ける気ないと言ってるのに。これは元から、来る前から言っていた事らしい。
単騎で魔物を討伐するのは得意だが、守りながらは難しいタイプのロードには向かない依頼。強くても、広範囲の護衛には人数が必要だ。
「部隊を置いてくるくらいだからなあ?」
カナンの言う通りセリを救った時、隊を置いてきた事がある。それを置いといても領分というのがあるらしい。
「そ、兵士と騎士の仕事だよー」
「以前から兵士達による護衛付きだったのに、今回はロードがいるからって入れ込もうとするなんて!勝手が良すぎるワ。」
カナンもキースも不満はあるが、ことを荒立てる気がない。
キースは何か考えている風もあるけど。元々上の方の人なので思うところも違うのかも。
とりあえず、お茶の時は気分を変えられるようにしている。
特に仕事に出ていないか気を揉むのがグスタフだと思うが、そう言った話はしないので触れていない。
セリが聞いても、解決できないだろうし。この城での仕事は長いらしいのと、魔木の報告書に実験と忙しそうだ。
それでも、部屋で集まる時は愚痴は美味しいものを食べて流してしまおう。
特に延長はなく、お茶会は謝罪から世間話で終わった。
その準備をしたカトレアは竜人の怒りがどれほどか緊張を隠していた。
団長として夫は、実際に見たかった様子。セリの好きなお菓子を用意して
お茶会で話したという事実が、なんとか首の皮一枚繋がっている。
竜人を怒らせれば氷漬けの城ができるだろう。やっと雪解けの時期なのにとは悠長な考えだ。
「敵対する気がないのが救いだ。」
「セリに関してはやはり、気にしていないでしょう?他の方々もこれ以上の悪化がない限り、不満が爆発する事はしないわ。」
番を得た竜人が、暴走しやすいとは聞くがロードという男は大人しいのか?いいえ違う。セリの反応次第で破滅の道が開かれる。
それを忘れてはいけない。
(すごい魔力だった。)
剣で、斬り結べる気もしなかった。




