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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第七幕 雪解けの時期
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第十九話 衝突


「人間を追い出せ!」


大人の声ではないようだった。まだいるだろう集まりをのぞき見れば、小さな影が見える。子供たちも参加か。


「寒いのに。」

小さな点に見えた。


外は気にしないようになったけど、あまり人数に変わりはない様子。


「あったかくしてるかな?」

「たぶんなあ。魔導具は出てるけど。」


「今日、吹雪くって話じゃなかったか?」



カナンもシュルトもそんな天気の話をしていた。寒さが戻ってくるかもって。

(気になる。)


吹雪いてきても、戻らないらしい。

「ハァ」

こちらの根負けだろうか。


カナンに、ロード。シュルトも準備してもらって。

集団のところへ。


「人間!」


あの兄妹も参加しているのかなあ。


「人間のせいで。安全にかえれないんだぞ!お前のせいだ。」


誘拐の心配だろうか。私とは関わっていないんだけど。国とさえ微妙なところ。そんな理屈じゃないんだろうな。そもそも兵士と騎士に守られていて何言ってるの?


「私の庇護者を取る気?」

「お前のじゃない、この城のみんなを守るためにいる!」


それは兵士と騎士。ロードはちょっと立場だと格好でわからないものか?


「君は、父親が攫われたんだよね?保護者がいなくなった。」


「それがどうした!人間のせいじゃないか。l


「そう君は、同じように私の庇護者を奪おうとしてる。」


「何言ってる!竜人様っ俺らを守ってくれるでしょう?」

「俺はセリを優先する。」


当然と言う態度は全く変わらない。


「そんな!酷い見捨てるの?」

子供が騒いでも変わらなかった。ロード1人で移動する人達全員を守れるわけないのに。何を考えているんだろう?それはいいや、それより


「君、父親が他の人を守っていなくなっても、そう言える?」


自分がされたら嫌な筈なのに。

やっと黙った。


「血の繋がりもないロードとなら、たぶん手を離したら、もう会えないと思わない?」


「俺がセリを離すわけない!」

「嬉しいけど落ち着いて。」


「あなたが父親を慕うように、私はロードにいて欲しい。危険な帰り道って言うけど、騎士も兵士もいる。それって侮辱じゃないの?」


この城に篭る時期が終われば、ここの住民はそれぞれの家に帰る。国の方へも毎回だ。


「それでも奪うの?」


奪われて、悲しかったくせに。それを私にしようとうとしている。すごく冷めた視線を送ってしまった。


これで済むとは思わないけど、一時医療棟に移動を促され解散するだろう。


「それでも竜人を独占するな!人間っ」



「いい加減にして!」


私だって怒るのだ。魔力に乗って。ブルリとしたのは寒さだけではない。


その黙った隙に兵士が連れていった。


部屋に戻った後、俺は一緒にいるからな?とロードが私にべったりだったけどわかってるって。

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