第九話 触れ合い
カナンを呼んで3人で内緒話のようになる。
「ロードに聞こえてるぞ?」
「マ、無視で。」
カナンとシュルトの打ち合わせが終わり、セリの相談が始まった。
「頬をスリスリするのは良くやってる。お髭ないからそんなに痛くない。」
「ロード、髭ないもんな。」
「髪は硬そうだけどネ?」
「獣人では良くある愛情評判だけどお、人族はあまりしないんだっけか?」
「そうね。習慣があっても、親子とか恋人同士の印象ヨ。」
気軽にやる挨拶じゃない事はわかった。リリーとは同性の友達なので良いだろうか。
「挨拶でする国もあるけど、頬を合わせるくらいネ。」
男性にやらない方が良いと判断した。多分ロードが悲しむ。
「あと、お尻触るの」
「イチャついてんだな。」
カナンの感想にセリが固まった。
(イチャつく?一方的に触られているのがそうなのかな。)
「楽しそうなんだけど、こう…」
「どう反応すれば良いかわからない?」
継いだ言葉えお肯定するセリにどう助言をすべきか。
「獣人の文化的に言えば、ソフトな方ヨネ。」
「戯れだと思うけど」
成長途中のセリには戸惑いのが強そうだ。
オレの尻尾に目がいくセリちゃんは?と返さないくらいには、真面目に聞くか?助言するならば…
「やり返しちゃいなよ。」
セリの方から、仕掛けるのがバランスが良いだろう。ロードが番へとスキンシップを図るのは健全であると思う。それを受け止める方が負担なら別だが。
多分、受け入れる余裕ができてくるだろう。
そろそろ、堪えられない様子のロードに許可を出した。2人で話し合うのも良いが、セリの経験はこれからだ。その一助くらいにはなろうと思う2人だった。
そして、セリとロードが仲良さそうに話しているのを見て、仕事に戻った。そしてしばらく後に様子を見ると?
「ベタベタしてみた。」
「え、それが仕返し?」
カナンからしたら、ロードへのご褒美だろうと思う。ペタペタ触ったり、ぎゅうっとしたりと両方がご満悦だった。
「男の人ってベタベタされるの嫌いって聞いた。」
「北の砦での情報か?」
ロードの確認に頷くセリ。
「獣人の文化で言うとぉ〜、近いほうが親密ってなるな。」
「他の男と同じようにされれば、嫌だ。セリにはされたい。」
「あ〜、執着心と独占欲。」
「ロードだけにって事?」
「俺もセリだけだから。」
楽しそうだが、結構危ういのかもしれない。変わっていくのを求められるのはセリの方だから。
まあ、優秀な狩人が逃すとは思わないが。
「大変だな〜」
そのフォローをする位置もなかなかに大変だと後に知った。
一人じゃムリなんで、シュルトも巻き込んだ。




