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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
それぞれの番外編
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グスタフの考察メモ①

極北の城に滞在する冬籠りは、魔木の調査が主な仕事だ。

正確には、衛生士への講義があるがいつも通りの準備はしてある。


議長でありエルフのアクレイオスが観測した風の観測情報を受け取り、

情報を整理する。


(風の流れが城に近づいているか?)


魔素が多ければ活性化する。直接観に行く方が良いだろう。調査のための外出願いを提出する事にする。調査メンバーは、移動が速く身を守れる者少数で。


希望が通るかわからないが、兵士達は調査に向かない場合が多い。

…決まらないうちに心配する事もないか。


子供のセリがいる中で、風も魔力を纏って素早く巡回できた。その時、採取された物の中から、些細な兆候を見つけた。


発見者のセリは、木の実としてあつめたらしいが。


幼木の発見に繋がり、早期だったため周囲の環境も封じ込めに良かったと思う。


レポートに所見を記して置く。

周囲のレベルより格段に高い木の実の発見


・魔素を含むには通常考えられない(特殊な環境の場合は違う)

・発見場所から小型の魔物が蓄えた餌だったらしい

・その木の上の巣の近くに該当する木の実はない


雪が溶けている時期に、川上から流れてきたか?鳥の魔物の落とした物とも考えられる。


木の実の場所が特定できれば、魔素の濃くなった場所も分かる。


アクレイオスの観測資料で風の流れを想定。時期も特定できるので、そう大変な作業ではなかった。木の実の名前も特定し、可能性を探る。


水を多く含み木は、川辺や湖の近くで育つ。これにより、魔力を多く含む実が見つかった。


「この方角に行くと濃くなっている。」


通常であれば、周囲より濃い魔力を貯める事はない。

「この分布なら風の影響もあるが、確かに人族の国の近くなっているな。」


議長としては、接しているが国交のない国への侵入は頭が痛いだろうが

新たな魔木の可能性を、危機として認識しなければ。


魔木は管理できなければ、言い伝えのように破滅に繋がる。


『魔物を集め、強化し狂わせる。

その勢いは成長するにつき暴れ回る竜の如く、大群は街を飲み込む。』


滅びた町、文明があったと伝承として残るだけだ。

ダンジョンの始まりの形なのでは?と提起する研究者がいる。


魔核、奥深くに潜る。魔力を集める姿なのか、防衛のためかはわからない。


確かなのは管理、伐採しなければ危険だという事。


新たな魔木の場所、特定へ動いた。

川を起点に、行軍が速いチームを預かり行動に出る。寒い中ご苦労だが、着々と情報は集まった。


奇しくも、セリの行きたい方角だった。

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