議長録⑤
「この点はエルフの技術とは異なる部分だ。」
「そうか。考え方には似た物を感じるんだが」
おまもりと呼んでいる物は興味深い。エルフの技術とは異なるようであるものの考え方としては、縁がつながっているかのようで。
研究者の視点をグスタフから得て、私はエルフの知識の中に引っ掛かるものを話た。キースも素材との効率部分に興味があるらしく、再現をしたり他の物も見たいとセリに話している。
グスタフから、おまもりの事をまとめた資料を借りているがセリが事典のようにまとめてくれた物だという。
仕事料を渡しているが、私からも何か贈りたいな。良い出来きだ。この法則で作ればできるのか、素材別に作ったらどうなるのか。色々とやってみたくなるな。そんな話をグスタフにした。
「考えた者に素地がある可能性か。」
「変わり者のエルフと接点があったなど、すごい確率だが。発展の影にエルフとの言葉もあるからな。」
私も話してばかりではなく、美味い飯と酒に口は滑らかだ。
ここが、城の部下とは関係なく穏やかささえ感じるせいだろうか。
竜人ロードとセリの部屋で行われている夕食会。私も邪魔するのは、3度めか。キースとグスタフの参加があれば、私が入り込むのも違和感を抱かれずらい。実質ただ食事しているだけだが。
役職があると、気軽な行動ができないのは仕方がない事なのだがな。
気も抜け、興味の赴くまま話し腹を満たす時間は楽しい。
セリの様子を見ることができ…
竜人と狼獣人に挟まれているセリに、危機を感じるべきか迷う。
「通常、怖い2人…ヨネ?」
「最恐の2種族に挟まれてる状況?」
シュルトとキースが言う通り。番関係で問題を起こすベスト1、2だった。
攫い、匿い逃がさない番になったら、恐怖だと囁かれている。
「それがまあ居て。飄々としているセリは大物になるだろうな。」
構い、ちょっかいに手を出し仲睦まじい程だ。
恐れていないのが良いのだろうか。
「怖い者知らず、か?」
「その可能性もあるのか。」
グスタフの懸念もわかる。子供の純粋さは成長すれば変化するだろう。
「教育環境は大事だが。」
成長の妨げにはならないかと危惧する。
「獣人の国に行ってみたい」
と本人の意思だ。“可愛い子に旅をさせよ”
帰る場所になるためと、支援を続けるつもりだ。
「天災級の種族に、見張らないわけないよね?」
キースは、着いて行くきだ。王都にいるのを厭っているのは知っているが。
(竜人を理由に家出ではなく、城出か。8
「アラ、儲かりそうな予感ネ。」
「面白そうだな。」
グスタフまで乗り気か。
これからも続く、関係を祝った。




