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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第一幕 極北の城
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第23話 鑑定

急遽、議長エルフとの面会の日が設けられた。

事件のこともあるが、セリの環境が激変するため心配されているのだ。


いつもの部屋に行けば、新しい顔がいた。


「調子は大丈夫か?」


議長の言葉に、

ロードに抱っこされて来たセリはいつも通りに頷く。

(寝床は変わったし、歩くのを阻止されたりもしたが問題ない方だ。)


後ろにちゃっかりいるカナンにも慣れた。

今は護衛として普通の距離にいる。


「こちらは、鑑定のできる人材だ。」


議長の紹介した相手は

法衣を着て銀髪、綺麗な顔はエルフの血が入っているといっても納得な程。

医師が控えた位置にいるので、高位なお客様だと思われた。


(名前も所属もぼかして言われる程の?)


ニッコリと笑顔の下は、警戒が見えない?

いいや、表情を装うのが常な、上の人だ。

貴族と予想される。どの神を崇めているかで、色々違う。


(とてつもなく上の方とか?)


議長の紹介で来ているなら、強行に攻撃はなさそうだが

印象は、“しっかり注意を向けないと堕とされる”だ。


つまり、見た目が豪華な危険人物とセリは判断した。


(態々、足を運んだ意図はなんだろう?)


柔らかく神々しい美貌は、つい跪きたくなるんだろうか。

セリの知っている教会の神父とは違う、近寄り難さ。



「犯人はまだわかっていないが、襲撃の標的はセリだ。

カナンを護衛につける。これは冬越えが終わるまで継続だ。


そして今回、セリが大丈夫なら鑑定を行いたい。」


議長、医師ナナンの許可とロードの許可もいるらしい。

「大丈夫か?」


「大丈夫だよ。」心配症気味なロードに応え、鑑定をすることになった。


今回は鑑定の道具では、見れないもの

【魔法特性】、【特技】、【称号】などを見る。


(教会で神父様から鑑定を受けるのが多いんだっけ?)


大きな街では子どもは義務で、祝いの席になると聞いていた。


「鑑定を受けたことは?」

席を移動して、目の前に来た美麗な男の言葉に答える。


「道具を使ったものなら。魔法の適正が少しあった。」

セリは育った孤児院で受け、魔力の有無で反応を見れ適正アリだった。


人族ではままある結果で、無しでも魔導具は使えるため不便さはない。


「あれじゃあ、ほとんど分からないようなもんだよねー。」


突然、砕けた言葉になった。


セリは内心驚いたが、なるべく顔に出さない。

反応すると負けな気がしたからだ。


額に触れられ、魔力が巡った。

回復魔法が巡ったような少し温かく感じる。


「へぇ。加護持ちは珍しい。」


「どの神だ?」議長の問いに、気軽な声が返った。

「運命神。祝福もあるねー。」


セリには心当たりがあった。縁がある神様だ。

育った孤児院で安置されていた像を思い出した。


ソワソワしたロードが聞く

「加護は、どんな効果はあるんだ?」


「んー。決断力とか良くなって、祝福で少し運が上がってるかな。」


運命を決める時の手助けと、傷ついた魂の癒しの時間を与える運命神

それっぽいなと思った。


他に、つらつらと結果が告げられる。


「水魔法の特性、他に…火 風、闇もか。魔法適正は高い筈だけど。

あ、12歳は確定。」



「この小ささで12歳か。」

「ドワーフみたいに種族の特徴でしょうか。」


議長と医師の反応が驚きのセリだった。

(言ったけど信じられなかったのかあ)


まだ、細い小さい子な印象らしかった。







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