第20話 身分
もふもふに癒される
いつもの昼食を食べる部屋で、固まっていた。
現在、夜も更けてきただけど病棟の子供達が集まっている。
私の居た部屋が崩壊して、兵士が入って調査中だ。
誰も来なかったのは、“音がしなかったから”らしい。
「あんな派手な音が?」との疑問は、魔導具による偽装工作のせいと分かった。
狙いは私でも、病棟のチェックをするためここで待機。
子供が夜のこの時間に集まるのに興奮して遊ぶ。
家族と会って落ち着いている子達もいた。
私はというと、ロードに怪我のチェックをされた後
シュルトとナナン医師に寄り添われ、ひと通りの検査をされ安静を言い渡された。
お眠むな子と寝ている。もふもふ。
他の子は部屋に問題がなければ帰れるが
念のためのチェックだし
侵入者がいたときの正規の手続きらしい
(私の寝てる部屋、崩壊してる。)
狙われて、緊張していたものの落ち着いていた。
あの部屋で見回して探したけど、狼はいなくなってた。
シュルトも見たらしいので幻ではなかった。
助けてもらってお礼も言ってないし。
(撫でたかったのに。)
埋もれる程の毛量にダイブしたい。
それはそうと、(ここで寝るのかなあ。)
疲れでウトウトしている間に、子供達は部屋に戻ったようだ。
「セリちゃん、眠いところ悪いけど立てる?」
ナナン医師が近くに来ていた。
移動するようだ。
「お姉ちゃんおやすみ」
「おやすみ」
そう言って別れた。
議長と医師が会談する部屋だ。
温められた部屋、温かいミルクを渡された。
(蜂蜜入ってる。)
甘いフルーツの蜜に、緩く微笑むセリ。
その様子にホッとした面々。
「すまないが、もう少し起きていてくれ。」
議長の言葉に頷く。
確認や決める事があるんだろう
「犯行は、強硬な人間排斥を行う組織の一員だな。」
鳥の獣人だったらしい。
「議長の権限で、捜査している。有耶無耶にはしない。」
他の勢力も参加しているとみているのかな。
「セリ!」部屋に入って来たのは、ロード。
「着替えはこれで足りるカシラ?」シュルトも来ていた。
ギュウッと腕に閉じ込められ、心配かけたようなので
ぽんぽんとハグを返す。
「俺の部屋に帰ろうな?」
あ、寝る部屋がなかったんだった。言われて思い出す。
「それは認めるが、シュルトにも居てもらう。」
「そーよ、2人っきりにするわけないじゃナイ。」
「今日は見張りを立てる。近いうちに、専属の護衛もつけよう。」
「要らない。俺が守る。」
「お前が全ての敵を倒せるのは知ってるが、巻き込まれたらセリが危険だ。
立場の問題で、竜人ロードが介入できない場合もありえる。」
全てから守れない
「ダカラ、ワタシのフォローがあるんじゃナイ?」
未成年と一緒にしない目的もあった。
手を出さないか不安だ。
議長が最後に宣言した
「セリをロードの番と認める。」




