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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第五幕 集結
201/411

12-準備中

「編成し終わったら出たいね?」


キースの言葉は、すぐ城を出そうな勢いだった。

食事も終わり、豪華なコースの最後のデザート。つるんと甘いデザートをロードに食べさせられれるのも慣れた。


キースの機動力にも慣れそうだ。


「北の砦の調査なら参加したい。」


要望だけ伝える。

「ロード付きなら良いいよ?」


許可、早い。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!セリにやらせるのは…」


タローのオッサン、待ったをかける。

予想通り。動きたいと言った前は、だいたい待ったがかかる。子供なのでしょうがない。


クエンも参加だが、食事の方が大事かな。良い肉、ワイン付き。甘いものもいけるってなかなかありつけない食事。

“食えるときに食え!”だもんね。やっと咀嚼して話し出した。

「まあ、いんじゃね?お守り役もいるんだろ。」


「けどな!あの環境に、変な物があるかもしれんし。」


“子供が見ちゃいけないもの”

具体的にわからないが、それが目に入る心配だろうか。


「見たいのは、洞窟の方。」

砦の部屋の中は興味ないよ。と伝える。大人として見せたくないのなら、子供として従おうと思う。この場合お、大人のがショックを受ける。


“子供に見せるべきものじゃなかったのに”

見ないふり、通り過ぎれるのも大人のためだ。紅茶を飲んだら、口の中の甘さをさらっていってスッキリした。


「あ、あっちか。」


「あそこの探索はしている。迷路みたいになっているけど、全部はわからない。時間がないのと、脱出経路として使えなかった」


と判断された。


「1人でいったの?」

「地図見ただけ。」


「本当に?」

「数回、逃げるのに使った。」


「まあ、それはしょうがないか。」


クエンの追及から逃れた。


魔法の効果がわからないけど、落石は危険だし子供1人で行って欲しくない場所。“緊急事態、どうしようもなくならオッケー。”の約束は守った。


あそこで色々やりたかったけど、姿を見せてないと探される。隠すほどのことはやっていないけど、貴族に見つからないようにはしていた。


小さな実を口に含む。甘酸っぱい、紅茶の味を変える赤い木の実。

この味面白い!とロードを見たら、ロードの分もくれた。


催促したみたいだけど、くれたんなら貰う。


キースは砂糖を齧りながら、思案が顔だ。



「あの贅肉、どうしようかなあ?」


護衛が反応したが、セリには聞こえていなかった。

幸いだった。子供に見せるのは早い、大人の怖さだった。




「すぐ出るの?!」


「一時帰宅。」

今度の遠征は大所帯になる。数日はいるが、この城にいるより北の砦での調査に加わりたい。


タローのオッサンとクエンも参加で、夫人とコックさんは極北の城にいる。


いつのまにか職場を得ているコックさんに、手に職があるってこいいうことかと感心した。

国の料理も作ってくれるらしい。素朴なお菓子だけどとくれた懐かしいクッキーに礼を言ってしまう。


シュルトに相談して、材料や作る道具が行くようにしてもらう。料理人は料理できてこそなんだなあ。とても楽しそうだった。夫人のお見舞いを頼み、また出かける事を伝えて別れたのが昨夜。


夫人は寝ていたので、花を飾って帰ってきた。安定しているそうだから、任せて大丈夫。



そんな人が増えた話を兎獣人、リリンに話す。

「こんな寒い土地でよく動くわ」


城に篭りに来た獣人達から言えば、そうなのか。

雪が酷くなければ、外に出ていたので違和感はない。


それより、安全性が上がって、快適でさえある。この違いは大きい。

『極北の城』は大きい。多くの獣人が一時的に冬を過ごす場所に自分がいるのが不思議だ。この階層の高さも慣れてきている。



決まっている予定は、川は補給地点となり拠点を北に移し、砦に前に一大拠点を広げる。


セリは、行ったばかりの『北の砦』に想いを馳せた。

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