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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第五幕 集結
191/411

2-状況説明

今がどういう状況か?説明の前に…ー


体調不良な人がいる。

まず、暖かいところに…移動は出来なかった。


薪がない。寒さを防ぐものが壁と毛皮だった。

これは体調も悪くなる、食事も保存食でなんとかしていたらしい。


まず、持っていた簡易の魔導具で暖をとり、温かい飲み物を渡した。


居たのは3人。知っている人だ。


「おおっ!あったけえ。」

「生き返りますぅ」


隊長とも呼ばれているオッサンと、台所にいたコックさん。


夫人は、衛生士のビクトールに診てもらっている。可能であれば、キース様に回復魔法を使ってもらうかも。


記憶の中より痩せている姿が心配だ。


ロードが離してくれないので大人しく、辺りを見回すだけ。よっぽど矢が嫌だったらしい。威嚇で当たっても防具で防げるのに。


ちょっと機嫌が悪そうだから、ロードに構う事にした。

寒くなるのは避けたい。


「ここ、馬と毛長牛が居たの。」

「砦じゃなく、ここに来てたのか?」


「世話したり、泊まったり。」


ひゅおっと寒くなる。こんな場所で?という顔だが、のんびり過ごしていたので、特に思うところはない。


セリの様子に、ロードも落ち着いたのか一緒に座って待った。


(ガランとしたのは何故か聞きたいけど。)

カナンは警戒して立ったまま、治療がひと段落してから話合いになるらしい。


キース様待ち



今は、キッチンに止まったメンバーと合流を待つ。


オッサンは話を聞きたそうだけど、カナンが気になるのだろう。


コックさんは、震えている。寒い?ブルブルと振るけど、青ざめたままだ。こっそり喋っているつもりか?聞こえている。


「落ち着けって」

「ですが!あの眼!!」


とりあえず、放っておいてロードといよう。


「知り合いか?」

「うん。隠れる場所を探してくれたり、狩りにも行った。」

若く見えるのが、不満なのでオッサンと呼ばれている。


「一緒に作業してた。」


干し肉を作りながら調味料の話を聞きながら、作業していた。


根っこを食べる是非については意見が分かれた。

残しておいたら、生えるものもあるので栄養があると聞いても狩人から習ったセリには迷うところ。


味に関しては、微妙だし。


「人が居たって?」


到着したキースに回復魔法をかけてもらい、夫人は寝てもらいながら、話し合いだ。



「助けてくれて感謝する!」

オッサンが代表で頭を下げた。


お貴族様だと?!と言ってたため、少々言葉には気をつけているらしい。


「ここにいるのは君達3人?」

「いや、1人狩りにでている。」


細目の男だろうと思い浮かんだ。このメンバーだし?


「クエンが川まで、様子を見に行っている。」

「放棄したの?」


「そうだ。」

「なんで残ってる?」


お貴族様が先に帰って、次々国に帰ったんだが荒れてな。


「救援を呼ぶと言っていたが、まだかかる。4人ならギリギリ生き残れると見込んだが…。

人気がなくなったのがわかったのか、熊型の魔物が出てな。

それに、怪我したからなあ。」


「そんなに深刻なことが起きたの?」


ギリギリの人数でも、国に帰れればと思えないだろうか?


「食糧事情だな。」


「元もギリギリだったのを、狩りで補っていたんだが。狼型が増えてなあ。それと!帰るとなって、食い散らかしやがって!」


あ、これは勝手に食べた輩がいるな?それを守る役目のコックさんを見た。


「気絶させられてるうちに、消えてたんですぅ。」


ここに隠してあった保存食でなんとか食い繋いだものの、狩りもしないと不安で、食糧も薪もない。かなりサバイバルな生活だったようだ。


「最低限、食糧を持ち出しならまだもったかもですぅ」

「置いてってくれよって思ったわ」


国に帰るまでは大変だが、ここのが食べ物に困る。


「帰す気ねえみたいだわ。」

「保身ですぅ」


最後まで、貧乏くじらしい。

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