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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第四幕 北へ
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番外 ベンゼル(熊獣人)

護衛任務で、この3人での行動も慣れたものだ。

連携の良さで護衛任務がよくある。護衛対象に子供がいた場合、ビクトールに相手を任せて2人で護衛するところも好評だ。


こんな事を思い出すのは、後悔からだろうか?


と言っても僕の記憶にあるのは、危なかったらしい事。今はすっかり治っている。もう終わった任務の事だけど。


生真面目なアレクセイは、気に病むと思った。

そういうとこ、ビクトールは割り切りがうまいんだよね。


そもそも。気に病まれるほどの事も、あったんだろうけど。

怪我の完治にかなりかかったし。護衛対象を守るための行動だったんだから、しょうがないと思うよ。その後の遭難はいただけないけど。


僕の記憶にあったのは、興味深げに覗き込まれた瞳。


子供は好きだし、敵意もなく興味のそれは記憶に残っただけ。

デカい筈の自分を見下ろす、幼いらしい子供の瞳を見返すだけだった。それだけ負傷が深かった。耳もぐわぐわで、歩くのも難しかった。


後に振り返って

「警戒心はなかったよ」と当時の事を言ったら呆れられたけど。


あんな場所で、弱いとよく聞く人族がいたと思わなかったし。しかも気遣ってくれる相手にまさか攻撃なんて、無理でしょ?


毒気を抜かれてたよね。実際僕は寝ていただけ。


“町で匿われてた”くらいに思ってた。そこは…僕が呑気だった、か。


救助されたら医療棟に入れられた。後は治療に専念して、起きられるようになってから聴いたビクトールの話に納得しつつ、疑念も起こる。


“人族の子供が何故いたのか?”あんな寒い、魔物がウロつく森で、助けてもらったとしても。セリには、ほんと偶然だったらしいと確認したけど。


場所は話し合ってもわからなかった。集落があったんだろうで落ち着く。

人族の子について話した。


その後、北の砦と呼ばれる場所だった。

「あの子はその砦の子なの?」家族が兵士とかかなあと想像した。


「違うそうデス。」

「じゃあ、助けられてたとか。」


子供、非戦闘員が雪の中、兵士といる理由って何?


「狩りに出ていたそうデス。」

「子供が??」


ビクトールから聞いて、信じられない状況だった。雪の中、魔物がいる森に子供が出ている事。獣人の子でも幼いうちは親と一緒でしょう?


不穏な環境にいるらしい、セリと名前だけ覚えて、容姿なんかは朧げだったその子のことを考えた。


生きているかな。



思い出す事も無くなった頃に、竜人が城に連れて来た子供が“セリ”であの瞳の子だった。

今や護衛対象として近くに居るのに驚き、次は任務へ同道するって話になっている。


お偉い人に言われた任務なら、拒否はないけど。


不穏な動きがある。探られていて、注目を浴びている。この任務に旨みがあるとか、出世に繋がるとか?

そんな兵士達は、騎士もだけど近づいてくる。


アレクセイは生真面目で、『護衛対象の話はしない』で断っていた。

ビクトールは、セリと薬草の話をして衛生士達はそれで満足らしいけど。


自分のところには、怪しい話が持ちかけられた。適当に話てケムに巻いている。僕の容姿って侮られやすいみたいだよ?普通、報告するよね。


任務に関わる事なんだから。要チェック済み。報告しているよ。

分かりやすいにはいいんだけど。ちょっと面倒。


こういうのは自分の役割なんだろうなあ。のんびりしていて怖そうに見えないって、なんて評判だけど。


身内からは腹黒だなんて…上には上がいるんだよ。

お腹が黒いだけなんて、可愛いもんだよ。


「君らにも参加を要請するね?」


キース様の言葉に、アレクセイが任務の内容に切り込み、ビクトークが心配事を聞く。

僕は、周囲からの圧力分散の事かな。任務に支障をきたさないためには準備が肝心。


「大丈夫、黙らせるから。」


もうその支配者層からのひと言を聞ければ、大丈夫な気がした。


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