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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第四幕 北へ
174/411

29-グループ編成

夕食を片手に食べ、本の内容をもう少しと言って伸ばした時間だったが…


もう夜だ。


「セリは寝る時間。」


すっかり・どっぷり暗くなった外は、子供は寝る時間まで深まっていた。

キリをつけられた事で、セリは不服な顔をした。


シュルトが、“ぶっ続けの話”と“まだ続きそうな勢い”に待ったをかけたところだ。グスタフとキースはそのまま(放置)でいいが…


体力の違うセリを強制的に休ませる。このままやらせては、セリが倒れるまでやってしまいそうだ。


その考えに行き着いた、ロードも寝かせつけに賛成した。渋々のセリはロードの首に抱きつき…

“ご自由にどうぞ”な気持ちで、揺られながら寝室がある部屋へと戻っていった。


お土産に借りた本も忘れず、持ってもらっている。

見張りのシュルトと、護衛役のカナン。まだ本の内容に興奮している様子のセリ。


ロードはゆったりと抱きとめ、眠りを誘うように歩いて自分達の部屋に戻ったのだった。


2人っきりじゃないのを渋く思いつつ。借りてきた本に気が行くセリを宥め、興奮して話してくれるのを聞きながら髪を梳いていれば…ようやく眠った。


今日はすぐ寝かせてしまったが、朝風呂にしても良い。

俺が風呂に入れてやりたいと伝えれば、そう言えば承諾してくれるだろう。セリは風呂が面倒なようだが、嫌いではない様子だ。


愛しい番が、自分以外に興味を持つのは不服だが。あの“楽しくってしょうがない!”と言った瞳は綺麗だ。セリに近づいてくる男では無いなら、このまま様子を見ても良い。


穏やかな眠りを見ながら、物騒な思考を通常運転しているロードだった。

その内心を知れは、保護者の2人の疲労がどっと押し寄せるだろう。


自覚を持って行動して欲しい。無理だと感じているが共通の願いだった。


その夜、団長は獅子のカリスマな雰囲気のままに、内心はため息を吐いていた。


上が無理を言うのもわかるが、報酬として出されたため承諾する方向ではあった。


しかし、

賓客の1人が、動くとなるとまた違う。護衛を希望する下心のある者。

畏怖する者。それに加え、人間の子に興味を持つ者。


最後は、竜の尻尾を踏みかねない。

(逆鱗に触れるが正しい言葉だったか?)


とにかく、それを回避する方法まで提示されていた。

『セリの関係者でまとめる。』


最近、部屋の外の護衛任務についた3人は、手回し済みと言うのがなんとも。

「暗躍か。」

立場上身についた事で、『暗躍と言うほどささやかな事だよ?』と声が聞こえてきそうだ。


「私は無理だが。」

人数はまだ欲しいだろう。


拠点を守るのに、安定した経験者。新兵でも実力がある者。


それに当て嵌まる2人、“セリの関係者”という条件さえ含む答えを

出させられたことに…


承諾しか答えは、ない。

しかし、長と名があるのだ。条件に口出しはしようと決め、今日の仕事を終える。


従者にも仕事終わるよう言ってから、妻に会いに行くことにした。

愚痴くらい良いだろうか。



息子に声をかけるか。遅い気もする。面会時間にも遅いが

こうしてほとんど面会は成されなかった。


今日は1人で部屋まで行くことにし、息子には後日約束をしてからにしよう。


先延ばしとも言うが、既に息子も騎士である。団長としてなかなか、父親としての顔を見せる事がない。今は夫として行こうと。


魔獣退治より緊張して、歩を進めた。


鎧もなく、剣もなく。必要なお筈だが。

夫婦関係というのは、子が生まれて変化があっても難しいものだ。


部屋に行っても断られ、すれ違いここまで冷めてしまった仲を修復できるきっかけだ。やれるだけやろう。



弱気になる心を叱咤して、医療棟の妻の部屋へ向かった。

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