22-国名
セリとロードの戯れているのを感じながら、3人が
この川で、ここの分岐点は水流で決める
雪解けの時期には、川を上り人間の国へと商人がいく。
ただし、獣の特徴を持つ商人は行かない。
危険だからだ。
ここでは獣人の奴隷がいるらしい
自国の民が奴隷化されている憂慮に獣人の国も調査に動くが、
うまく進んではいない。排他的な土地柄、人族至上主義によち獣人を送り出せず商人たちに協力を願って情報を集めているところだ。
隠された獣人達の所在は掴めていない。
見栄っ張りの人間の国
「サ国は、食糧事情が悪くなっているそうヨ。」
「ウ国に行くことはできねーの?」
「あの国は閉鎖されているというのが定説だが。」
(サとかウとか、アの国?国名か何かかな。)
セリの興味が話し合いの方に行った。
自国の、住んでいた国の名前をセリは知らないし、知らなくても生活できる。
運命神の教会は、隠れる場所だ。孤児院の機能も担ったが
『運命に疲れた者が訪れた時に、ひとときの癒しの場所を提供する』
その教義から、敵対国の合間にありそのどちらにも組さない意思を示していた。
そのことから、この国と表現されず、彼方の方角として教えていた。所属を決めなかったのは、教会の機能面からかもしれない。
しかし場所は人間の国の方が近く、商人も人間が多い。
隠れて獣人との取引もあったのをセリは知っていたが、特に思うことがない。それほど日常風景だった。
尻尾を見るのは、気になるからだ。
厚着の
守ること
セリは(へえ。)としか思わないが、地図を見せてもらいながら
「サ国。左側にあるからって言われてる。ここから海。地図では東、右側にウ国と呼ばれるトコがあるってさ。」
「どれ?全部?」
小さな島と思われる囲い。全て人が住んでいるとは考え難いかもと思う。
「群島であり統治者もいたが、既に大国となったサ国の支配を受けているらしい。」グスタフが答えた。
「行ったことある?」
「この島ならな。」
指さしたのは、サ国に近い小島。
サ国から交易の船が出るが、舟と言いたくなるほどの小さい乗り物。
行き交う人が少ない証拠だった。
グスタフは、研究のために行ったのだろうか。
獣人のカナンは入り込むのが大変で、シュルトも商人として旨みが見出せない場所には足を踏み入らなかった。
『未踏の地、海の魔物、見知らぬ文化。』
それはもう、冒険者の領域だ。
「『大小様々な国、全てを手中に納めている』と言うサ国
誇大されて広められている可能性もある。」
海には魔物が巣食っている、その脅威の
その対抗策に、雷の魔術紋と呼ばれる大掛かりな魔布、魔導具のようなものを使う。魔力に溢れた人が多いらしい。それは、貴族に当たる階級が多い。
獣人を攫う背景に、雷属性の魔力を使える戦闘能力の高さが
協力を求めることはなく。蛮国と貶めている。
獣人国といえば、川、森、湖。資源も豊富だ。山々をこえれば海の国もあるため、特に関わりたい国ではない。
国交が断絶されても問題はないが、喧嘩を売られているなら放置できない。
自国の民に不利益を与えられないよう、監視情報収集は欠かしていない。
その極北にある拠点がこの城だ。
なので、これ地図上でもこの周辺の森は調査されているが、東側は山の形などの大きなものしか書き込まれていない。
セリが見てもさっぱりで、早々に飽きてしまった。
それを察知したロードがヒョイっと持ち上げ、元の場所に戻ってしまった。
それを視線で確認した3人は、また情報の打ち合わせに戻っていく。
何かひと言あっても良かったが、やっぱ慣れたなと共通の思いがあったのは、それぞれ確認することはなかった。




