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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第四幕 北へ
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18-護衛の3人

騎士が来た。


カナンと話して、こっちを向いて声をかけられる。

「じゃ、夕食の時会おうねー」


今日は別行動。とはいえセリは部屋を出る予定がない。

そろそろ、医療棟で面会ができるかと思うくらいで、これといった予定もない。


グスタフから借りた図鑑を眺めて過ごすつもりだった。


ロードの話を聞きながらだと、より楽しめる。カナンにも聞いてみようかと言ったら、ロードの機嫌を損ねたけど。渋々でも許してくれるだろう。


騎士と衛生士、知った3人だった。

「今日の護衛を務める、今日は部屋で過ごされると聞いた。我々は気にせず寛いで欲しい。」

アレクセイがリーダー役で恭しく挨拶がされた。


キラリと刺繍のある騎士服は熊獣人のベンゼルもそうだが、威厳を表すようだ。その装いは、護衛対象の地位的なものに格を合わせている。


護衛士の制服のようで少々、違いがあった。それとは別に。小柄なビクトールは命を守る役目をまっとうする意思と信念を示す衛生士のもの。


護衛騎士2人で良いところを子供への対応役に衛生士が、セリが知ることはない。子供への対応部分はセリには不要ではないかと会議に上がったが、


「騎士に慣れていないには確かだ。」の意見が通った。


「オレは護衛騎士じゃないもんな?」と密かに不貞腐れたカナンは護衛専門ではないので、貴族など貴賓についてまわる任務ではない。これからは、違うけどな。と気持ちを切り替えた。どちらと言うと装備は暗器に近いが、気付くのはロードだろう。


各して、ビクトールも加わりセリへのフォローなり、緩衝材役を求められていた。


セリはこのメンバーで良いと思うだって、


「過去の話ができる。お茶を飲みながらにしよう」

辞典を避け台所へ。セリが茶を淹れるのをロードがカップを出して手伝った。


その様子に、竜人ロードへの動きを観察する視線を向ける2人。

僅かな警戒の気持ちが出る。ビクトールはセリの方を見て元気そうだと職業的な思考になっていた。そう言った異変を感じ取れるのも護衛には必要な時もある。


アレクセイが護衛として一緒にお茶を拒否をしたが、2人に説得され渋々座った。あまり、絨毯に座すスタイルは慣れていないように見えた。


「ありがとう」ベンゼルの穏やかな顔だ。


あの時は、怪我で辛そうだったので、セリは密かに安心する。

当時、一番怪我が重く危険だったのが彼だ。


耳の怪我と一時的に聞こえにくくなっていたらしいアレクセイは、状況を後から知ったらしい。


なので、よく会話を交わしてい、ビクトールと主に話をした。


「あの時、魔物の襲撃にあっ怪我をしたんだっけ?」


「そうデスね。護衛対象の動きに対応できず3人で部隊から離れてしまいました。」


“護衛対象が誰か”とは聞かない方が良いだろう。セリはそこに関心がない。


「もう傷は大丈夫なの?」


「ええ。早期に手当てできたのが幸いで。後遺症もでてないデス。」

「良かったけど、あの薬草だけの手当てでなんとかなったの?」


北の砦、その末端の小屋。馬がいただろう使われていないところでの治療。匿った形になるが、物資も治療環境も悪かったと思い出す。


「初期治療ができた上に、寒さがやわらぐ風を防ぐ建物で十分体を休めました。あの状況で最善の事ができました感謝してます。」


セリがした事は、3人を発見した事。

同行者に伝え、運ぶ事を進言して治療に使えそうなものを渡しただけだ。


その時、会話が聞こえていなかったらしいアレクセイの警戒がすごかったので、他の人間は近づけなかったしその気もなかった。


『少し休んで、どことなり行けば良い。』

『砦を探ろうとしなければ、ほっとけ』と決まっていた。


もちろん、上の貴族には伝えない。


「回復力がすごかった」

「我々。丈夫デスカらかね!」


そこは獣人の体力面の強さが出たらしい。セリ自身もこの極北の城で感心したことも多かった事だった。


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