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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第三幕 騎士団
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第四十四話 初戦

早めに弁当を堪能し、


「あの移動のカラクリが怖かった」

とは口に出さず


ロードとカナンの引率で地下訓練場に降りてきた。



相手のライルと呼ばれている、獅子の獣人。


同年代の兵士に囲まれ、落ち着いている雰囲気だ。

集中を高めているのかもしれない。


装備の確認もしていて、特にすることのないセリは

合図があるまで待つだけだった。


(突っかかってきた兵士は近づいてこないし)

警戒の必要性もなく、ドワーフの整備がはいるのを眺めていた。


セリは肩に力も入らず、構えていたが…


カナンとロードは、向こうの声を拾っていた。

元々耳が良いのもあるが、身体強化の応用だ。

簡単にやっているが、結構難しい。


(なんかやらかすか?)

(セリに何かする気か?)


と注意を払っている。

セリはボーっとして近くにいるし。


(後で、からかっちゃおう。)

緊張してないようだから、あんま声はかけていないけど。


雰囲気に飲まれた様子はないのが安心した。

魔導具のが気になってのんびりだな。


まあオレは、ロードを抑えるのが役目。


(イライラしているな。)

神経質なロードから、少し離れて


開始を待った。



…始まる



剣を携えている。

兵士の基本みたいな格好だ。


対してセリは、冒険者に近い装備だった。

「はじめ!」


合図で水魔法での牽制をセリが始める。

顔の近くに当てていく


対して威力はないが、集中力は削げるだろう。


この極寒の地なら、水が凍って冷たいかも。

という離れた距離からの攻撃を…


防ぐ!


「距離を測ったのか」


弓矢を絶妙に当てていく。

模擬戦用に先端が刺さらず、魔法のインクで刺さることはないが。


「なかなか良い腕」

練度も曲打ちのような弓矢の応酬


さっきより相手方は焦っているか?

隣の輩がうるさい


「卑怯だぞ!」

「前だ、前に出ろ!!」


相手が撃って出た。


手甲で防ぎ距離を取るせりは、動きも軽やかだ。

グッと踏み込んできた時、相手に変化があった。


「仕込んでたんだ?」

「接近戦は、分が悪いからな」


対策万全だった。


「許可取ってあるぞー」

向こうに聞こえる声で言う。


獲物に薬を仕込むのは、衛生兵の戦い方だ。

「後衛として優秀だ」

ロードも高い評価である。


「前に出てきた。それしかないわな? 」

軽やかに避け続けるセリちゃん。


「いい目だ」

セリは、剣筋が見えている避け方をしている。

風を斬る音が続いたが…

「小賢しい!!」


斬撃を受け、止まる。

刃は潰されているが、鋭い斬撃だった。


「大丈夫、受けきってる。」

ロードも確認できているだろうが、魔力が上がったので

口に出しておいた。

カナンは、目の前の模擬戦よりロードのが怖いと思っていた。


相手の動きは鈍くなった。

「そこまで!」


模擬戦が終わり、魔法でのチェックを受け

セリの勝ちが宣言された。


終わってみれば、危なげなくと言いたいが。

その少女の華麗な動きに見てる方が、手に汗を握った。


十分、力を見せられたと思う。

すんなりと帰ってきたセリは、


「ただいま」

散歩に出ていたかのような、軽い足取りだった。

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