第四十二話 迎え
朝から雰囲気が違った。
セリがいつも通りの時間に起きる。
ロードに促され身支度して出てくると
カナンの服装がビシッとしていた。騎士服だろうカッチリした立襟に
刺繍があり布も高級そう。魔法付与されているとか?
じっくり見ていたら、ロードに剥がされた。
後でもう少ししっかり見よう。
振り向けば、ロードも普段より豪華になっている。
「ちょっとびっくり。」
騎士服とは違う、民族的な印象があった。
セリも武具以外を身につける
シュルトに装備できているか確認してもらい準備完了。
そわっとする気持ちを
ロードに撫でられた事で気づき、ちょっと落ち着こうとした。
朝食を食べたら、移動だ。
シュルトが準備してくれた弁当を持ち、荷物も確認した。
「出るぞ」
ロードに頷き、カナンが扉を開ける。
部屋を出ると見知った3人が、待っていたようだ。
ビクトールとアレクセイの犬獣人が2人と、熊獣人のベンゼルだ。
案内に2人が先立ち、セレナーデの騎士とは護衛に重きを置いているらしい。
衛生兵のビクトールから「大丈夫デス?」調子を聞かれる。
軽く問診のような会話があった。
物々しさの増した移動に、なるべく慌てない風を装うが
ちょっと緊張する。
式典の雰囲気か?
私は参加しないけど。
模擬戦の時まで、控えている。
弁当を食べながら、団体戦を見れるらしい。
どこへ行くのか?
模擬戦の場所は、地下訓練場で行い、その近くに待機と聞いている。
外に出た。
眩しい日の光、雪は降っていないようだ。
積もった雪が光を反射して余計に眩しい。
そして、人が集まっていた。
ウォォォオ!!
集まった声に驚きロードにくっついたまま移動した。
「あれが今回の模擬戦の相手?」
「ちっこいなあ」「あの筋肉で勝てんのか?」
「人間の子供よね?」
「稼がせろよ〜」
最後の声は、賭けたのだろう。
負けろか勝てかしらないけど
(そういうところは獣人も変わらないのか。」
やれやれと肩の力が抜けた。
これだけ守られていれば、緊張するものでもない。
3人に、近くで睨みをきかせているロード。
カナンも出場者だから、護衛される方では?
「色々免除されてるよ?飯が豪華なのが良いよなあ」
楽しんでいるようで何より。
願いを出せる。
終わってから伝える予定だ。
誰かから聞いてそうだけどな。
食事や物、金はないか武器ってのがいた。
熱狂が凄く、人数にも驚いている。
人垣が整理され、混乱も収められそうだけど。
ささっと移動をする。
「何かひと言!」
その後の聞こえてくる文句など知るか。




