第三十一話 採取許可証
グスタフの部屋で
それぞれに依頼を出す形に話がまとまった。
理由として、
商人からの薬品の購入には、『賄賂だ!』と難癖がつけられる可能性を考えセリが採取したものの利用と、
依頼の形で納品することで回避しようと話がついた。
今回はロードとカナンの3人で城の外へ出かける。
これも、「模擬戦に出るメンバーだけだった」と言うためだ。
行き先は、魔物の巣があったと思われる洞窟周辺を
探索する。
その帰りに川へ行く。
すでに探索した付近に行くのは、魚を獲れるか?
といった以前行った時の案を試すためだ。少々遊んで帰るが、
「魚料理が作れるワヨ。」というご褒美が付く
セリが『魚料理を知りたい』と言っていたので、提案してくれた。
ロードは反対しないし、カナンは経路的にも問題ない寄り道と判断した。
ソースや身をほぐ団子にする料理を
教えてくれるらしい。
ウキウキで準備するセリは
丸々から少し動きやすくなった格好で、喜んでいる。
模擬戦が近づくにつれ、
屋台や演習で動かす場所や時間がなくなって来た。
ちょっと体が鈍ってる。
思いっきり動けるので嬉しい!
と見えた。
カナンの方も好都合な部分がある。
面倒な遠征ほど堅苦しくもなく、
護衛対象も協力的。さらに強い保護者付き。
好条件で、今の城内より外のが良いと思える。
以前頼んだ護衛の方も少々、面倒事が起こっていた。
接触を図ろうとする者
新しく加わりたがる者
護衛に近づき、鬱陶しさを感じる上
それがないとなると
手合わせを申し出となる。しかも…
ロードとカナン、ここまではわかるけケド、セリにまであった。
狙われている
しかしやり方が(脳筋ばっか。)
最強への興味のロード
得体の知れないカナン
セリちゃんまで行くのは防いでいるが
期待と猜疑の目は受けていて、疲れる。
護衛によんだ3人を遠ざける動きだったり
水面下の動き
(めんどくせっ)
と言う細々した嫌がらせ
シュルトの方もきているらしい。躱せているらしいが。
「オレもちょっと外の空気を吸いたい」
ある筋への報告で、つい愚痴を吐いた。
部屋は快適
しばらくお偉いさんの訪れもない。
セリちゃんの様子を見ながら
外にお出かけと洒落込んでよいと思う。
2度目で、城内の様子から楽に許可が得られた。
模擬戦が終わっても、しばらくこの調子な気がして
溜め息を我慢して、
久々に羽を伸ばす気分だった。
まあ、オレにあるのは尻尾だけどな。
油断なく、セリちゃんの手から
尻尾をどけるオレだった。
「模擬戦勝ったら、触らせて?」
「どーしようかなあ?」
セリちゃんと戯れるのも、楽しい。




