第二十七話 ルール説明
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セリは順調に、感覚を取り戻していた。
それに加え、魔法の使い方も学んだ結果。
出力も高まり、力を出せていた。
その装備も、高価なものだがセリの防御に極振りしている。
獣人の基礎的な能力より劣る故に…
“金で済むならいくらでも”
ロードの方針だった。議長も推奨している。
外に出た時の装備より、薄手で衝撃に強い物が新たにお買い上げ。
魔力的な付与もつく
キースに依頼し、シュルトが稼いだ。
大型の魔物に攻撃されても、今度は無傷でいられる強度だ。
前の転がりそうな格好より
見た目は十分、ほっそりしている。
そしてカナンからルール説明が行われた。
「模擬戦には、このインクが使われる」
取り出したインクは、魔力が込められており
その量や色で負傷の目安を判定する
「模擬戦で怪我させないよう、使われてる。」
このインクも勝負の判断に含まれると説明を聞いた。
ロードも一緒に聞いている風だが、実はセリの事しか考えていない。
防御を上げる方法
セリの勝ちを固め、セリの望む結果を得る。
番を守る本能と、欲しいものを与えたい欲求。
安全な場所へ囲い込みたい衝動に、耐えていた。
ギュウウっとしても、
セリは魔力操作によって締められるのを耐えれていた。
訓練の賜物である。
使える武器、技を確認して勝ち筋を見出す。
以前あった、模擬戦の試合運びの話を聞いた。
新人兵士の戦いを見せる第一戦。
剣戟のぶつかり合いと、駆け回る体力を見せる。
得意技、武器の長所を使い戦う
勢いの勝負。
第二戦は、武器対決。
属性魔法を使わなくても、戦える姿が見所になる。
基本、魔法禁止。
「身体強化の魔法で武器を振り回すの」
カナンが戦う相手の槍、ハルバートのような斧にして派手になるかも。
という話も聞いた。力自慢か。
(カナンの武器はなんだろうか?)
セリがじっと見ると
「お楽しみ!」と返された。
セリは想像する
カナンが使う、大きな武器?
ナイフの使い方が上手いのは知っている
槍みたいなリーチのある得物とどう戦うか。
魔法で牽制しながらの攻撃ができない、となると?
結論は出なかった。
そしてロードに目を塞がれる、
『カナンばかり見ているな』
という嫉妬。ムカつく。
そのまま、セリはカナンに聞いた。
「最後の模擬戦はどうなるの?」
「なんでもオッケー、真剣勝負。」
魔法、武器を使ったガチンコ勝負。
その範囲は地下訓練場内に限られ、魔法の多重展開が敷かれる。
対戦者へ徹底的に防御の魔法をかけられ、
全力で戦う。
どちらかが倒れるまで。
もしくは訓練場が半壊したら止められる。
そんな、力技の戦い。
“力を示せ”
獣人の文化らしい催しまで、
もう近づいて来ていた。
それに連動して、住民も兵士達も熱気を帯びてくる。
その中心にいる人物達に、向けられる目。
その感情を直情的に伝えられる事にもなった。




