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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第三幕 騎士団
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第十九話 宣戦布告

「これで、まとまったのか?」

「そうだ。」

議長と団長の睨み合うような、やり取り。


「企画提案そして、申請書です。」


兎の獣人が、ピシッと形式的な動作で書類を渡した。

それを見た議長が苦々しく言う。

「ロードとカナンそれに、セリも参加を希望したのか?」


「ええ。全隊の合意です。」と決定事項を答えた。


いつの間にか、入ってるそうです。とセリは何の事かわからないもの

を見ている。


グッと不機嫌な寒さを感じた。

「ロード?」


驚いたセリは、ロードを宥めにかかる。

とりあえず、膝に乗っておいた。



「せ、セリへの依頼ですぅ。」

新たに書類が出された。


催し物への参加依頼だが、内容は


“模擬試合への参加”


「セリが出る義務は無さそうだけど?」

キースが横から疑問を出す。


兵士でもないセリの参加は、おかしいと言えるが。


「この城の外に出られる腕があれば、新兵との試合も可能かと。」

団長が、外に出たという実績逆手に取った。

もちろん、拒否もできるが


獣人の社会で暮らすのに、指名の決闘を断れるか?

セリはもちろん人間だが、微妙な問題だ。


獣人は、力を重んじる。


今回の催し物は


騎士団の演舞

兵士の団体戦

そして個人戦


城での親交を持とうとするもの

その招待に応じないのは、友好を断つと取られるか?


騎士側の態度が表明された

「個人戦の部で相手をして欲しい」


ロードは予想されていたが

セリまでと言うのには、申請を受け付けを不認可にしたい議長だった。


しかし、全隊の総意は重い。

催し物の性質上、依頼は出され人目に触れる。


セリに話は行き断った事に、住民や兵士は不満を持つだろう。

それは、議長にもキースの権威でも防げない。



「宣戦布告?」

好戦的なセリは、ロードの膝の中で堂々と聞く。

あまり格好はつかないが。


“受けて立とう”という態度で示す。


『売られた喧嘩は、ちゃんと買え』

と言われた通り、しっかり勝つつもりで


まずは態度から尊大にしてみた。

これは逃げ場はないし、試されている。


セリを保護している議長と、キースの権限で拒否するのが難しい段階の言葉と、強行しに来た騎士団長。



最高決定を下す議長の動きを封じて、依頼を出したのだろう。



今までの事があって、セリを害するのは悪手だ。

人の目のある場所で、“やり合おう”と言うお誘いと受け取った。


受けて立つ


それしか残されていないと感じ取ったセリの闘志を示したのだが。


「子供がすると可愛いだけだ」

と後でカナンに言われ、不貞腐れる事になる。

ロードもその件に関しては、誤魔化した。


そんな催事まで、30日後だった。


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