表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
題名のない物語  作者: 五木カフィ
8/166

チサは過去の世界へ

「私」 チサはびっくり仰天。そんな事があっていいものか

「そう驚く事は無いさ。これが成功すればあんたは一躍

 有名人になれるぞ。この{オズ} {オズ}というのだよ

 このかわいい奴は、、世界で初めて、、そうだなぁ

 訳せば物質電送機とでも言おうか。{オズ}の試乗者に

 なるのだから」 「そんな事嫌よ。お断りだわ。

モルモットなんかにされてたまるもんですか。早く

 出してちょうだい」 チサは元来気の強い娘だった。

何か訳の分からない所に閉じ込められて恐怖に震えながら

も厳しく怒鳴り付けた。だが老人はそれには答えず夢を

見ているような表情で、「最初は小さい物から送った。

二十日鼠だ。それが成功したときわしも息子もどんなに

 感激したことかとても言い表す事は出来んよ。

 北海道に着いた鼠が床の上をチョロチョロ走った時

 息子は思わず抱きしめたと言っとった。素晴らしい

 成功だった。次にはポケットモンキーを送った。

 これも成功した 次は犬 これも上手く行った。

 だが次に送ったチンパンジーはどうしても向こうに

 着かなかった」 「キヤー」 思わず悲鳴を上げるチサ

だんだんと老人の言う事が真実味をおびて感じられ

恐ろしさに身体がすくむ。「どこに行ったか どう

なったか今でも良く分からない。きっとタイムマシンの

 ように未来にでも行っているのだろう」

「やめて やめてよ」 「だが失敗したのはその一回きり

 なんじゃよ。その後 改良を重ねて今はもう完全な

 物になっている。次にチンパンジーを送った時は

 無事に着いたし、大型犬のコリーを送った時も成功した

 そうして10日前 ついにゴリラを送った。

 いいか 人間より大きなゴリラだぞ。それを人目に

 付かずに運ぶのに、どんなに苦労した事か、、

 でもそんな事はどうでもいい ゴリラも無事成功した

 んだ。北海道に着いたゴリラはキョトンとして頭を

 かいとったそうだ。ワハハハ、、、人より大きなゴリラ

 でも上手く行った。残るは そうさ人間だ。いよいよ

 人間で試す時が来た」 「イヤー気狂い やめてやめて

出してよ~」 「出す訳には行かん。やっと上手く罠に

かかった貴重な人間じゃ なぁに心配することは無い

 3分足らずで北海道に着くよ。そうしてまたすぐに

 ここに帰って来れるんだ」 言うなり老人は

作動スイッチらしき物に歩み寄った。

「やめて お願い 出して ああ お母さん」 チサは

周りを叩いたり蹴ったりしてみたが、もとよりドームは

ヒビさえ入らなかった。「では 成功を祈って」

ついに老人がスイッチに触れた。 そうして哀願する

チサを尻目に無表情で力いっぱい押した。 同時に

微かなうなり声の音で回り出すドーム

「ああっ やめて お母さ~ん お父さ~ん」

叫ぶチサの身体は次第に薄く消えてゆき、やがて

見え無くなってしまう、、、恐ろしい事が起こった。

春 3月 ある日の午後だった、、、、、


続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ