表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
題名のない物語  作者: 五木カフィ
42/166

斬新なお掻いどりに皆の目が、、、

侍女だって今まではいなかったが、これからはそうも

行かない。春日局の部屋では新たにチサ付きの者を

決めておくが、梅山の部屋からもの手慣れた者を一人

付けてくるようにというお達しがあった。それではと

およのが行くことになり、その夜は二人の送別会になった。

とは言っても遠くに行く訳ではない。縁でつながる部屋

だから顔を合わせる時もある。「いよいよ 本当のお中臈

らしくなってしまうのね」おりゅうがしみじみとした口調で

言う。「私 本当のこと言うと今もおチサ様がお中臈だって

信じられない」 「私自身が信じられないくらいだから

おりゅうさんが、そう思うのは当然よ」とチサが言うので

みんな笑ってしまう。「本当に早かったものね。あっと

言う間で」と 春江「世の中 どんな事が起きるか分から

ないものね。もしかして次は春江様がお中臈になるかも」と

チサがからかうと春江は大げさに手を振って

「うそ うそ そんな事絶対にないわ。あったら困るわ」と

大慌てで打ち消すのでみんなまた大笑い。

「そうよ 春江様は来年秋にご婚礼ですものね~。

 愛しいお方と」と これはおよの みなにからかわれて

「もう 知らない」と 春江は袖で顔を隠してしまう。

そんな様子を楽しげに見ながら酒を飲んでいた梅山は

ふと 座り直し膝を正して「チサ お局様の部屋に参ったら

ここのように気楽には参りませぬぞ。ここは そなたの

 例えば生家のようなもの お局様の部屋は嫁ぎ先の

 婚家のようなものじゃ お局様は上様をお育て申し上げた

 御方 はばかりながら御母君のようなお方と心得て

 何事にも気を配ってふるまわなければなりませんぞ。

 言葉使いは特に注意して、、、これはおよのにも心得て

 貰わねば成らぬ。およのもチサと同輩であったよしみも

 あり、馴れ馴れしい口のきき方を許してきたが、あちらの

 部屋に参ればそちは侍女 チサは中臈じゃ。そこを良く

 わきまえて話さねば成らぬ。この事はみなにも強く言って

 おきますぞ。この先 例えば廊下で出会っても今までの

 ように軽々しい言葉使いは控えねば成らぬ。良いな」と

注告を与えた。梅山の言う事はもっともである。

みな声を揃えて返事をした。


続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ