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題名のない物語  作者: 五木カフィ
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チサの提案が、、、

春江はお仙の着物の裾にこびりついていた蝋を指先に

とって「旦那様 廊下に蝋が塗ってあったのです。

 わざと転ぶように」と 梅山に見せる。「まぁ 酷い」

およの達は口々に花岡の部屋子達を非難する。

中にはこんな事もありましたと、告げ出す者もいる。

梅山は困ってようにみなを手まねで押さえ

「もう良い これは部屋子の単なるいたずであろう

 あまり根に持つようなことをしないで同じ縁付きの

 部屋じゃ みんな仲良くするように」と 諭す。

だが およの達は承知しない 「単なるいたずらとは

思えません。最近 特にあのお部屋の方々 私達を

 あしざまに言われます。いくらおチサ様がご寵愛

 深いからと言って妬きもちをやかれても、、、

 もともとあちらのお玉様の気位が」と とんでもない

事を言い出しそうなので、梅山は慌ててその娘を叱り付けた。

「これっ 邪推でものを言っては成らぬ」

しかし 原因が自分にあるらしいと聞いたチサはびっくり

「私が原因なのですか」 梅山に尋ねる。

「いや 別にそなたが悪いと言うのではありませぬ

 ただ 大奥では良くこのような事はあるものじゃ

 いちいち気にしていては大変、、、」としどろもどろに

なって言って聞かせるが、チサは今ようやく他の側女達が

自分に対して心良く思わ無い事に気づいた。

鈍感というか気づかなかったのだった。そう言えば

分かる気もする。話に寄れば家光はあまり大奥泊まりが

多い人ではなかったらしい。それがこのひと月ばかり

御国忌日とかその他 都合の悪い日以外は全て大奥泊まり

しかも相手はいつもチサとなれば他の側女がやきもき

するのも分かろうと言うもの。これは家光にも責任が

あるとチサは思った。 一度は手を付けた女

嫌になったからとか新しい女が出来たからとて

ほったらかしにするのはかわいそうだと思う。


続く。

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