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なんで勇者がこんなところに?!  作者: 糸以聿伽
第二章 勇者の戦場
38/42

勝利宣言

魔女視点

 漆黒の──それはまるで烈風。

 純白の結界空間で激しくぶつかり合う二つの黒。


 毒々しい触手が全身から溢れ出し、両の手は禍々しい鎌を携えた銀髪の異形の魔女──最終にして最強の敵、魔王が羽織るのは私の愛用のローブ。

 かたや、漆黒の装備に大剣を自在に操り、風のように疾走し攻撃を繰り返す剣士ヴァル・ガーレン。


 大振りのタワーシールドの横から顔を覗かせて固唾をのんで見守るしかない私。

 幾度かの灼熱の爆風は、後衛陣の体力を削っていく。

 それでも、揺るがないフォスター・オルロフに護られたレイナの結界の印は崩れない。

 魔王の繰り出す全体攻撃に、ヴァル・ガーレンへ向ける攻撃に隙が生じることを見抜いたルート・ロロキが私のタワーシールド越しに正確無比な弓を射る。


 何度も撃たれ、それでも前へ前へと攻撃を繰り返すヴァル・ガーレン。


 フォスターとルートはポーションを飲みながら、レイナとテオールは護られながら、仲間の勝利を信じてそこに()った。


 私の心臓がうるさいほど脈を打っている。

 呼吸さえ忘れるほど歯を食いしばって、それでも目を逸らしてはいけないと戦いを見つめた。


 魔王の咆哮に強引に溢れさせられた恐怖。

 それは、自分の死でもなく、多くの日常が失われる事へでもなく……私は、ヴァル・ガーレンを失ってしまう恐怖におののく。


 私の足元で小さくなって護られてくれるテオール・アイヒホルンが、シールド裏の持ち手を握る私の手を優しく撫でてくれた。

 その暖かさに、私は強く握りしめた自分の手が震えているのに気が付く。

「ありがとう」

 止まっていた息を吐き出しながら、なんとか紡いだ声もはやり震えた。ニッコリと微笑むテオールの手もやはり震えていた。


『約束』を破る彼では無い。

 そう、信じると決めたのは私だ。

 まだそうなったわけでも無いのに、それを怖がっても無意味だ。


 この恐怖自体が魔王の糧となると思うと、なにくそふざけんな! といつもの強気が戻ってきた。

 ポッと胸の奥に灯る暖かさ。

 振り返るとテオールを背中から抱きしめたルートがニヤリと笑った。

 けっ! リア充がぁこんなところでもイチャイチャしやがってぇ!

「あんたの守護精霊たち、いい仕事するね」

 私もつられてニヤリと笑えた。


 あとは、もう信じてそれを見届けるしかない。

 ヴァル・ガーレンの血が舞う度に、喉の奥に溢れそうになる悲鳴を飲み込んで、瞬きも惜しいと目を凝らす。


 そして──やっとその時がきた。


 誘われたように魔王の鎌の軌道に飛び込んだ漆黒の戦士。

 ひっ! と息を呑むがそれは喉に張り付いて、壊れた笛のようなザラつい音になる。

 こめかみから目の奥に緊張が走り視界が狭まる。


 しかし、魔王は大きく()け反った。

 ──パリイだ!!

 そして、彼の大剣が魔王の胸を貫く。

 ゆっくりと……傾いでゆく異形の魔女……


 スラリと大剣を引き抜き、地に沈んだ黒い塊に楔を打つようにもう一度、突き刺す。


 満身創痍の漆黒の風が止まる。

 とふ、と彼は膝をついた。

 しかし、彼は──ヴァル・ガーレンは力強く拳を天に掲げる。


 突き出された拳は高く高く、強く強く!

 天を目指して突き上がる!!

 声はなく、傷だらけだったけど……それが、彼の──勇者達の──この世界の人間の『勝利宣言』だった。


 私の緊張した目の奥から、鼻腔にツキンと熱が流れ、それはまた目頭に戻ってきて視界がゆるゆると歪みだす。


「ウォォオオオオオオオ!!」

「よっしゃぁぁああああ!!」

「やったぁああああああ!!」

 歓喜の声があがる。

 あの無表情で冷静沈着なフォスター・オルロフまでが、全身を使って叫ぶ。

 ルート・ロロキが喉を潰さんばかりに感情を表している。

テオール・アイヒホルンの喜びに溢れる高く澄んだ声が響く。

「結界を解放します」

 静かに紡がれたレイナの言葉は、しかし涙にかすれ、喜びと安堵と慈愛に満ちている。


 ──純白だった世界が岩とマグマの混じる空間へ戻った。


 私は……突き出された拳を、揺れて霞む視界でただただ見つめていた。

 胸いっぱいに吸い込んだ息。

 唇が震える。

 溢れ出ようとする想いを止めるように、私は息を止めていた。


 息を……息を吐き出さなくちゃ……

 そう思ってもこみ上げてくる感情の嵐に、細く吐く息は途切れ途切れになってしまう。

 盾の持ち手を握りしめた手が痺れている。

 動かそうとしても、固まったみたいになってビクともしない。


 頬を伝う水滴が、マグマの熱をうけたそこをゆっくりと流れていく。


 魔王だった塊からゆらゆらと小さな光の粒が立ち昇りはじめた。黒い塊と化した魔王は、黒くけぶり形を成さなくなる。

 その中に、膝を付いて、拳をゆるゆると下げ、幻想的な光の粒子を見守るヴァル・ガーレンがいる。


「私とフォスターで魔王に捕らわれていた魂を神の元へ送ります」

 少しだけ憂いを含んだレイナの言葉。

 あの光達は、この魔王により命を奪われ重く沈んでしまった魂なんだろう。

 魔王に取り込まれ、死してなお負の感情を煽られていた悲しい人々。


 レイナの言葉にフォスターは頷き、

「あいつを回収してくれ」

 驚く程優しい音で言う。


「りょ~かい」

 緩い返事を返したルート、それは水晶越しに聞いた口調だった。

 そして、私は背中を押される。


 はっとしてその手の主を見ると、まだ濡れた瞳で、しかしいたずらっ子のような笑顔でテオールが微笑む。

「アグりん、行くよ。あいつ自力じゃ此処までこられないんだよ」

「へたヴァル、へたばる~」

 ズコッ──なんだそのオヤジギャク!

 ため息とも苦笑ともいえる息をフフっと吐くと──全てが緩む。

 固まった指が動いて、タワーシールドが私から離れた。


 レイナとフォスターの【鎮魂】の祈りが始まった。

 先に駆け出したルートとテオールがチラッチラッと意味有りげに振り向く。


 まーそりゃ、バレバレですよね。

 私の気持ちなんて。

 ほんと、気が付かないのは、未だに呆けて光の粒子達を見上げてる、あの乙女ん(オトメン)勇者ぐらいなもんだ。


 バタンと音を立てて倒れたシールドの音を、スタートピストルにして私は走り出す。

 お婆ちゃんの旦那さんの形見なのにごめんなさいと思いながらも、心はもう目的地にいる彼の事しか見えない。


 ──軽い。

 裸足だろうと、全身を覆う加護のお陰で全くダメージはない。それどころか、七倍身体強化なんて目じゃないぐらいスピードがでる。

 あっと言う間に、テオールとルートを抜き去り、一段高くなったそのひろい台座に駆け上がる。


 気配を察したのか、ヴァル・ガーレンがゆっくりと振り向いた。


 体中に魔王の体液を浴びてドロドロだっつうのに、その銀の瞳は周りの光を受けて美しく揺らめいていた。


 ──ときん

 甘く切なく私の心臓が鳴る。

 呼吸が震えた。

 零れ出しそうになる想い。


 見つめ合う私達の周りを、光の粒子達が踊る。


 そして、ヴァル・ガーレンは「あぁ……」と言いながら微笑んだ。


 ──きゅぅうううん!!!

 どはっ!!!! 極上のえーがーおぉー!!

 はなっ、はなぢっ、鼻血でるぅううう!!

 いや、前世でも今世でも興奮して鼻血出したことないけどさ?

 鼻からでたのは、給食中に班の向かい側の男子に変顔されて飲んでた牛乳が出たぐらいだな!


 そう、まさに替え歌といえばあの人、嘉の付く人が歌うあれが頭の中で流れた。

 たらり~♪ てか! そんなんどーでも、ええわい!!


 破壊力の強すぎるその笑顔に、私の思考回路がぶっ壊れる。

 残念だ!

 私の思考、残念だぁああああ!!

 せめて、ここで乙女のように顔を赤らめていられたらぁ!!


 いや、まぁ十分に顔に熱がたまってるのが解るから、赤いとおもいますがね?


 極度の緊張からの解放、ルートのオヤジギャグ、ヴァル・ガーレンのスプラッタばりの返り血(紫黒い体液)を浴びた顔から繰り出された極上の微笑みによる、ある意味、ギャップ萌!!!


 シリアスってなんですかぁぁああ?!


 完全に通常営業に戻った私は、恋する乙女モードに切り替われなかった……

 ツカツカと微笑む彼に近づく。


 歩きながら考えた。

 乙女モードになれない理由は、簡単だ。

 ──水晶越しでされた告白を、ちゃんと彼の肉声で聞きたい。

 そう、それは私のなけなしの──崩壊寸前の──女の意地みたいなものだ。


 さらに、どうしても引っかかるのが《前世の記憶》

 理解されなくても、前世なくしてやはり今の自分は無いって解った。それを知らせないで、それを隠したまま、彼の気持ちに答える訳にはいかない。

 前世の記憶を持った事を知った彼に、それごと受け入れて欲しいと思う──これまた、面倒臭いけど、私の想い。


 受け入れてもらえない可能性だってある。

 頭おかしい女だと解って、100年の恋も醒めるかも知れない。

 もし、私が彼への好意を示してしまったら、優しいこいつは、無理やり不快感を押さえ込んで、私に答えてしまうかも知れない。

 そして、やっぱり無理だったと気が付いた時にはお互いが傷つけ合うことになる──かもしれない……


 そんな可能性を始めに知ってて決めるのか、決めてから知らせるかでは、違うと思うから。


 ──そう、これは私の弱さ。

 今なら、まだ私は諦められる気がする。

 それこそ、リベルボーダの末姫とハッピーエンドを迎えた彼を、いつかは祝福してあげられる。


 ──破綻寸前の最後の保身……


 だから、今の私は、『彼の想い人など知りもしない初めの魔女(ビギノジャニター)』で居なければ……


 気が付けば彼の前に立っていた。

 膝を付いた彼が私を見上げ、私は見おろす。

 この高低差を利用して私は彼に言う。


「よくやったねヴァル・ガーレン、信じてたよ」

 これも、また偽りのない本当の心。

「あ……アグっ、アグリ、モニーさぁん」

 うるうると涙を溜めていく瞳。

 ふにゃふにゃと緩んでいく顔。

 さっきまで激しく戦っていた剣士とは別人のような甘えん坊の顔。


 ──あぁ、くそぉ! かっわいいなぁ!!

 私はヴァル・ガーレンの血みどろの頭に手を伸ばす。


 これぐらいなら、大丈夫よね?


 そして、その頭を両手でワシャワシャと撫でる。

 ヴァル・ガーレンは嬉しそうに目を細めて、

「終わりましたぁ」

 と、涙声で言う。

 流れる涙を隠しもしない無防備な微笑みで。

「終わったね、立派だったよ」

 私も微笑みを返す。


 ふっと、キラキラと周りが輝きだした。

 漂っていた魂達が、強く光を発している。

 そして、どこからともなく暖かい風が吹き、頭上から柔らかく優しい光が降り注いだ。


 ──あぁ、魂産巫女様の光だ。

 かつて私はあの光を目指したことがある。


 私とヴァル・ガーレンの間に一つの魂がゆらゆらと煌めきふわりふわりと天に向かって昇っていく。


 ヴァル・ガーレンも私もその光を目で追った。


 後ろの方で、

「だぁああ!抱きしめるぐらいしよーよぉ!」

 とか

「腰に抱きつくとかさぁ。まぁ、へたヴァルには無理だったぁ~」

「わざわざ気配消して見てたのに、なんもないとかありえるの?」

 とか、聞こえてきたけどスルーです。

 ヴァル・ガーレンは主人公あるあるの突然聞こえなかったスキルが発動してるのかしら?


 レイナとフォスターの【鎮魂】が発動して、無数の小さな粒達は煌めきながら昇っていく。そして頭上の優しい光に溶ける。

 私とヴァル・ガーレンはその美しい優しい光景を見つめていた。


 鎮魂の祈りが優しく響き渡る。

 魂達がゆるやかに天に昇っていく。

 そんな幻想的な景色の中に

「だぁ~~~! あんたちはぁ!」

 プリプリと可愛い声をあげながらテオールがこちらへかけてくる。その後ろをクスクスと肩を震わせながらルートがついてきた。

 そうは言われましてもね、こちらにもいろいろとあるんですよぉ。


 二人が私とヴァル・ガーレンの横に立つ。

「アグりんのじゃないから、普通にしか回復しないけどぉ」

 ルートがヴァル・ガーレンにポーションを渡す。


 慌てて涙を拭ってそれを受け取り「ありがとう」と言いながら封を切り飲むヴァル・ガーレン。

 幾つかの大きな傷が消えていく。


 ふと、立ち昇る魂達の中に、幾つかが弱々しくふるふると震えているのに気が付いた。それらは、かつて魔王だったモノの名残のような紫黒いシミと黒いボロ布に突き立てられたら大剣の周りで留まっている。

 登ろうとして、大剣の柄までいくが、ゆるゆると落ちてくる。うろうろと地を這うよに漂っている光もある。

 魔王によりなのか、生前の行いか……どちらにせよ背負ってしまった業や未練で沈んでしまうそれを見て、かつての私を重ねて苦しくなる。


「大丈夫だよ、アグりん」

 テオールが私の表情を読み取ったのか、微笑んで言った。

 それと同時に【鎮魂】とは違う、祈りが聞こえてきた。

 ──それは前世で幾度か聴いたことのある響きをした祈りの声だった。


 柔らかく優しく響くそれはレイナの声。

 大剣が突き刺さった所からポコポコと透明な水が溢れ出した。

 私達の足元も、あっという間にその水に浸る。

 でも、その水は幻……冷たくもなければ感覚もない。


 不思議な幻の水は、波紋をつくり広がっていく。そして、ポワっと足元にほんのり桃色に色付いた花の蕾が現れた。


 ──ひとつ、またひとつ。

 それ自体も淡く輝いており、その横にプカリと浮いた緑色の平べったい葉も透けており茎部分に光をたたえていた。

 蕾に、滞っていた魂はまるでテントウ虫がとまるように降り立った。そして魂達は蕾の内部に潜り込む。


 ひとつに一輪。

 だから、大剣の周りには埋め尽くすように蕾と葉が現れる。


 全ての魂が蕾に宿ると、それは一層明るく輝く。


 その光は純白。

 響き渡る祈り。

 そして、音もなく蕾はほころんだ。


「レイナの【浄化】は特別なんだよ~」

 ルートの明るい声に、ヴァル・ガーレンも頷く。


 私はほろほろと花弁を緩める蕾を見る。

 ──蓮の花だ。

 平べったい皿のような葉でもしやと思っていたけど、咲いた花をみて確信した。


『般若心経』

 レイナが祈りにのせて唱えていたのは、前世のお経だ。

 魔王の欠片を埋め込まれたあの船の上で起きた前世では非現実的な出来事。

 お茶をくれた優しい笑顔と、魔法陣の中に消えていく驚愕した顔。


 ──あの時の女子大生はレイナだったんだ。


 咲いた蓮の花の上には、輝きを増した光が輝く。それらは、ふわふわと軽やかに天に昇っていく。


 幻想的な景色に、私はただ見とれていた。

 すっと私の体から加護が解けていく。

 お婆ちゃんが魂産巫女様の力を借りてかけてくれた加護も、魂達と一緒にかえっていくのだと解った。


 全ての魂が旅立った。

 緩やかに降り注いでいた光も天に昇って、祈りは静かに終わる。幻の水もすっと消えてゆく。


 魔王はひとつのシミも残さず、跡形もなく消えていた。

 ただそこに、私のボロ布のような、黒いローブと黒い服に突き立てられた大剣が残った。


 横で人が立つ気配を感じて視線を移すと、ヴァル・ガーレンがこちらを見ていた。

 今度は私が見あげる。


 汚れはすっかり無くなっていた。

 さっきのレイナの祈りで魔王から受けた汚れも全て浄化されたのだろう。


 ──トキトキトキ

 と、さっきまで感じなかった心臓が突然主張を始める。

 私はそれを無視するように言う。


「大丈夫?」

 ポーションで回復した彼はまた柔らかく微笑み

「はい」

 と言った。

「あれぇ~加護が無くなったよね~」

 ルートがこちらを覗き込む。

「髪も元の銀色に戻ったね」

 テオールが幾つかの魔法陣を出して、ルートも精霊達に命じて最低限の強化や補助をかけてくれた。マグマから発せられる熱をふと感じなくなった。


「さて、無事生還できそうだなんだけど」

 テオールの考え込むような言葉に

「すぐにこの空間が崩れる心配はぁ、なさそうだよ~」

 と、のんびりルートが答えた。


『経緯は後で、生還した先で説明する』

 そう、私はここいる事を話す必要がある。

 それはつまり、前世の記憶の事を話すということだ。


 テオールは頷き

「ほんとは場所を移したいところだけとね、上のベースキャンプに戻るにしても、アグりんの事をどう説明するかが問題でさ」

 船室に鍵かけとけばよかったなぁと思案顔だ。


 そりゃそうだわな。

 5人で入って、6人で出てきたら、魔王討伐をサポートする実力の持ち主、歴戦の冒険者達も『?』だらけになるだろう。


 私達のいるひろい台座にフォスターが、レイナをお姫様抱っこして到着した。いつまでもあちらに戻ってくる気配のない私達の所に二人が来てくれたのだろう。


 まぁ、なんでフォスター・オルロフがレイナをお姫様抱っこしてるのかは、知らんけどなぁ!!

 へいへい、ご馳走様でーす。


 勢揃いした勇者達を前に、私はそんなチャカしから、自分がここいる経緯を話すために頭を切り替える。


「どこから、話せばいいのか……とりあえず……私には……」

 私は自分の素足を見つめながら、言葉をのろのろと吐き出す。


 さぁ、腹をくくれアグリモニー。

 いつかは、伝えなきゃ行けない。

 だったら、今が最良で最速の場所。

 大きく息を吸って

「『前世の記憶』がある」

 と告げる。


 とてもじゃないけど、ヴァル・ガーレンを見ることは出来なかった。

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