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双子奏愛!  作者: 比野龍司
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1話 双子闘争

ついに始まった終着点の見えないマラソンです。

ゴールがいつになるかはわかりませんが暖かい目で見守っていただきたいです。

麗らかな春の日差しが降り注ぐ穏やかな春の陽気。

そんな素晴らしき一日の始まりに


「ごぉるるぁあああ!!!」


ボク、月島日影(つきしまひかげ)は荒ぶる獣と1対1の命の駆け引きをしていた。


「どうどう、日和姉どうどうどう・・・」

「人を獣扱いするんじゃないわよ!!」

「えーと、じゃあ・・・待て!」

「どうして犬扱いならイケると思ったのかしら!?」

「日和姉、落ち着いて話し合おうじゃないか、争いは憎しみしか産まないんだよ」

「あたしがスッキリできればそれでいいのよ!!!」


うむぅ・・・、元から大きめな瞳はさらに大きく見開かれ、薄い唇はボクを噛み砕かんと口角がつりあがり、そしてこめかみの青筋がびきびきと音を立てている。元がかわいいからこそ狂気の度合いが深まって見えるな。

紹介が遅れたが、ボクの目の前にいる青筋モンスターは月島日和(つきしまひより)。ボクの姉である。

といっても、数分差でしかないのだけれど。いわゆる双子というやつだ。顔も背丈もほとんど同じ、基本的には仲はいいけど小さな喧嘩もちょくちょくしている。

いつもの喧嘩ではここまで日和姉が暴走することはあまりないのだけど。

それではなぜこんな状況になったのか、話はおよそ5分前に遡る。

回想スタート。




「日影ぇぇええええっ!!!」

「あんたあたしのプリン食べたでしょう!!!!」




回想終了。これが全て。ザッツオール。

一応もう少しだけ解説すると、近所にできた人気スイーツ店の1日10個限定販売のプリンを昨日の晩、ボクが食べてしまったのをつい先程発見、理性がプッチンしてしまったのだ。プリンだけに。

・・・。

弁明させてもらえるならば、ボクもわざと食べたわけじゃなくて間違えてしまったのだ。だって


「限定販売のプリンの容器がスーパーで売ってあるようなプリンとほぼ同じだなんて思わないよ・・・」


ビンに入っていかにも高級です!みたいなのだったらまだしも三個で1パック100円のプリンとほとんど同じ見た目で違うところはカップの底に店名が小さく刻んであるだけ、普通食べる前にカップの裏なんて凝視しないよ・・・。


「問ッ答ッ無ッ用ッ!!」


やはり青筋大王はまったく聞いてない。

出来るだけつかいたくはなかったんだけど、こうなったら最終手段だ・・・。


「週末にスイーツバイキング!!!」

「・・・・・・・・・ッ」


・・・どうだ・・・?


「し、仕方ないわね・・・!」


勝った・・・ようやく青筋魔神が消え去り月島日和が戻ってきた・・・。

日和姉は普段は怒ってもこんなことにはならないのだが、数年に一度ほど何かをきっかけに本当にブチギレるとこうなる。

前にブチギレた時はもっとちゃんとした理由だったから、まさかプリンでこうなるとは思ってもみなかった。

しかしまぁチョロい姉で助かった。

週末に4000円が吹き飛ぶことは確定したけど、意識や内臓を潰されるのに比べれば遥かにマシだからね。


そういえば青筋騒動で忘れかけてたけど


「日和姉、そろそろ準備しないと学校に遅れるよ」

「えっ!?うわっ!もうこんな時間なの!?もっと早く言ってよ!!支度してくる!」


さっき問答無用とか言ってたのは日和姉だろうに・・・。

日和姉は起きてお茶を飲みに行ってプリンの残骸を発見後すぐにバーサーカーと化し、ボクはバーサーカーに寝込みを襲われて起床したのでふたりともまだパジャマだからね、いくら学校が近くてもこんなにのんびりしてちゃ遅刻する。

早いとこボクも準備を整えないと。


楽しい楽しい学校の時間だ。

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