プロローグ
閲覧していただきありがとうございます。
文章投稿自体初めてのため、拙い部分も多いかとは存じますが、楽しんでいただければ幸いです。
吐き出す息が白くなるのをぼーっと眺めながら、相楽務は電車沿いの歩道をてくてくと歩いていた。
いつも通りの眠たい通学時間。眠気覚ましのつもりでウォークマンから大音量の音楽を流しているけれど、どうにも効果はなさそうだった。
それもこれも、昨夜ネット小説を読み耽ってしまい、気が付いたら空が白んでいたのが原因だろう。
おかげで、テスト初日だというのに今すぐにでも意識が夢の世界へと旅立ってしまいそうである。
(あー、眠い。なんでテスト前日に徹夜なんてしてんだよ俺……。)
務は昨夜の自分を呪った。
最初は務も早く寝るつもりだったのだ。
しかし、テスト週間の間は勉強に集中するため、ネットだけでなく、漫画やゲームといった娯楽関係を全て我慢していた。
そのことは、生粋のオタクとは言えないまでも、そこそこ二次元の世界へ傾倒している彼には、相当なストレスとなっていたのだ。
それを少しでも緩和したい。そんな甘い誘惑に負けてしまったのが良くなかった。
偶々選んだ小説が務の好みど真ん中だったがために、ちょっと読んで終わるはずだったものが、あと少し、あと少しと読み続けてしまった。
魔が差した人間の末路とは、恐ろしいものである。
そのことを実感しつつ、今日のテストをいかに乗り切ろうかと彼は空回りする頭で必死に考える。
(ダメだ、何も思いつかない。もうこうなったら今日のテストは捨てて、明日頑張ろう)
どんなに足掻いたところでどうにもならないことが世の中にはたくさんある。
そんなものへの対策を考えるなんて無駄なことをしている暇があるのなら、どうにか出来なかった時にいかに名誉を挽回するかを考えた方が建設的だ。
そんな言い訳を、まるで悟りを開いたような心境で考えながら、務はいつの間にか俯けてしまっていた頭を上げた。
それは、無意識ではあったものの「前(未来)を見て行こう」という彼なりの意思表示であった。
しかし、そんな彼の目へ飛び込んできたのは、明るい未来とは真逆の、絶望的な光景だった。
ほんの数十メートル先から、電車が来ている。
その光景を端的な文章にしてみれば、ごく普通の光景に思える。
だが、映像に直してみればそれは日常とは程遠いものへと姿を変える。
電車の車体は明らかに線路からはみ出し、路線横のフェンスをなぎ倒しながら恐ろしいスピードで突き進んで来ているのだ。
このままいけば、自分の命は確実に終わる。
しかし、非常事態に慣れていないために機能を停止してしまった頭というものは役に立たないものだ。
逃げなければ!そう、彼の頭が判断を下した時にはすでに電車は目と鼻の先の距離まで迫っており、次の瞬間。
彼の体は強い衝撃を伴って跳ね飛ばされていた。
ここまで閲覧していただきありがとうございます。
主人公が電車で跳ねられるシーンは、某身体は子供な名探偵の映画を見ている時に思いつきました。
そのままノリで書いたんですが、臨場感を出すのは難しいですね。
ここから頑張って最後まで書いていきたいと思いますので、宜しければこれからもお付き合いください。