夏の終わりの花火大会
冬馬君の夏
『夏の終わりの花火大会』
ガタンゴトン ガタンゴトン
電車に揺られ、冬馬君達は花火大会の会場へ。
ワクワク ドキドキ
駅の改札前で清香とアミは待っていると言っていた。
「混雑してるけど、二人見つかるかなぁ?」ときみ子
誰よりも速く見つけてみせる
鼻息荒く冬馬君は心の中、意気込んだのだった。
今は乗り換え地点のホーム皆で電車を待っている
ああ、夏のこの夕方の空気感、何とも言えず最高な気分になる
あれだけ聞いた蝉の鳴き声はいつしか少なくなり耳を澄ますとコオロギが歌っていた。
「夏はぁ終わり、この時期チャート首位を飾る蝉君の季節の変わり目さぁー」
歌うバンドマンその名もコオロギズ
はい、次いこっか。
暑さも終わり涼しくなってきた
秋がひょいと顔を出しているそんな心持ちになる
「はなびっ、花ビッ ペロリんちょ」あげあげ虎鮫代ちゃんは大ご機嫌
彼女も花火が好きなのか、舌を回転させ燃えている。
「ペロン ペロン はっなっび」
「ペロン ペロン はっなっび」
「ペロ〜〜ペロ ペロ ペロ〜〜」
大爆発である
既に彼女は特大の花火を打ち上げた気がするのはきのせいか。
「タマヤァー」ならぬ「とらさめやぁー」
はい、次いこか。
「さすがに、この辺まで来ると人がいっぱいだね」サーが沢山の人を見回しキョロキョロしている。
「屋台も出てるかなぁ」と大喜
皆のテンションは更にあがり
「しゃー今日も楽しむぞー」と子供達
するときみ子が「じゃあ、久しぶりにこれやっちゃおう」両手を突き出し
「出た〜っ」笑う冬馬君と大喜
「ファイ ファイ ファイ」拳は交互に突き出される
「きみファイ きみファイ」
「きみ子の必殺技あがるねー」と虎鮫代ちゃん
必殺技だったのかい!!
私はこれ
「虎鮫代〜〜 ペロ ペロ〜〜」
顔をぐるぐる回し舌も回転させ
「ペロ ペロ ストーム」虎と鮫のまじった顔が吠えた。
おばか。
虎鮫代ちゃんが「他のみんなの必殺技は?」
多網が「これっ」
「ブリリッ ブオッ」突然ぶっこいた。
この時周りのホームで待つ人々はドン引きだったと言う。
眉間にシワのよせる、さめよちゃん。
何故か名前の虎は省略される。
大喜が「僕はないよ」
「えーっ」と期待はずれの反応をする さめ。
何故か、よも省略される
なんぢゃ、このやりとり?
「冬ちゃんは?」
冬馬君は思う、今日は清香に会うんだ気合いを今の内に入れてやる
「僕はこれっ」
少し驚く大喜 「あるの?」
片手を空に突き上げ言った。
「うーーーっ」
「冬馬」
この時、見事に誰も笑わなかったと言われている。
突き上げた拳をいつ引き下げて良いか分からない冬馬君の顔は真っ赤っかであった。
いよいよつぎの駅に清香達がいる、冬馬君と大喜は心の中叫ぶ
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおーっ」
気合い爆発
電車は来た。
ガタンゴトン ガタンゴトン
「行こう大喜」
「ああ冬馬」
二人は気合い爆発
夏の夕暮れ 夏休み最後の時
僕らは好きな子の待つ駅に向かってる
そして、電車はいよい二人の待つ駅に到着
「いよいよだね、二人とも」きみ子があおる
その言葉に何だか緊張してくる二人
ドキドキ ドキドキ
はやく会いたい
居るんだ
会えるんだ
清香にっ
改札を出て冬馬君は一瞬呼吸できなくなった。
心臓が胸から飛び出してしまったかと思う程
何故なら、清香を見つけたからだ。
きっ、清香っっ
ああ、嬉しい 嬉しい
何とも言えないこの気持ちっっ。
清香が目の前にいる
大喜もアミを見つけ同じ気持ちだった。
ああなんだこの胸が何とも表現出来なくなるこの感覚は!!
「あっ、冬馬君達だ」二人も気づく
ああ、神様
ああっ神様っ ありがとう
目の前に大好きな清香がいた
夏の暖かい風が優しく吹いている
しかも、二人は浴衣
いっそう、二人が可愛いく見えた。
日本の風情の素晴らしきかな
冬馬君と大喜は思ふ
天使だぁー
「ひっ、久しぶり」
「久しぶり元気だった?」
「うっ、うんっ」
好きな子の前
どうしても自意識過剰になる
こんな事言ったら嫌われるか?どう思われるか?
何を言えば気に入られるか?
惚れた者の悲しい性かも知れない。
テンパり逆に不自然になる
その様子を見ていた多網ママはすぐ分かった。
サーに「冬馬君って、清香ちゃんって子好きなんだね
」すでに悟られている。
サーは言った「そうかなぁ」
鈍感な男サー
出番のない多美は叫ぶ
「ちゃーちゃー(ちっち出たった)」
大喜も緊張していた。
「やっ、やあ久しぶり」
「久しぶり大喜」
そんな様子を見ていた虎鮫代ちゃん
「二人よっぽど好きなんだね緊張がこっちにも伝わってくるよ」
まさかの虎鮫代ちゃんにまで言われてしまう。
「こりゃあ、清香ちゃん達は気づいたりしてるのかなぁ二人の気持ち」少し心配そうにきみ子が言う。
時間がたてば、この緊張感も少しは和らぐんだが
その時こそが、冬馬ターーーーイムッ
心の中、お相撲さんのポーズをとる冬馬君
はっけーよーいのこった
冬馬ターーイムッ ピカ〜ンッ!!!!
そんな勇ましい自分を心の中想像し、冬馬君は
笑った
「こんばんは、多網の母です」
「今日はよろしくお願いします、清香です」
「こんばんは、友達のアミです」
この男も初めての人前にやたら緊張する
「あっ、どっどうも、多網のパパ あっとえっ、サーって呼んで下さい」
すかさず入ってくる、虎鮫代ちゃん
「私はきみ子の友達の、虎鮫代ちゃん」
ペロン
「舌にかわって〜〜おしおきよっ」
とあるアニメのキャラを真似てみた虎鮫代ちゃんだったが反応はいかに。
焦る冬馬君と大喜
やばい!?
しかし、二人は「面白い〜さすがきみ子さんの友達よろしくお願いします」
意外に反応が良く打ち解けた。
ホッとする二人
皆は会場に向かい歩き出す
子供達は盛り上がっていた。
「こないだのキャンプと旅行面白かったねー」ときみ子
「あの時はまだ夏休み始まったばっかで良かった」と清香
「本当楽しかったなぁ、また行きたい」アミが言う
何故か行ってもいない虎鮫代ちゃんが「本当、ほんと」と相づちをうっている。
屋台も沢山出ていた。
サーがみんなに色々買ってくれる
喜ぶ子供達
そして座れそうな場所を発見して皆でたべながら花火を鑑賞する事に。
清香が座る
きみ子がそれを見て思う。
よしっ、あの隣は冬馬君の席だ。
が
隣には見事に虎鮫代ちゃんが座っていた。
「美味しいねこのいか焼き」(あなたが食べてるのはタコ焼きじゃい)
きみ子が虎鮫代ちゃんを呼ぶ
「虎鮫代ちゃんちょっと来てー」
喜ぶ冬馬君
「なによーきみ子」
虎鮫代ちゃんに小さな声で「もう忘れたの今日の計画
」
「何それ?」
虎鮫代ちゃんはもう忘れていた。
ハッとする
あっ、そうか虎鮫代は思ふ
きみ子が私が近くに居ないから寂しいんだ。
きみ子の肩をたたき
「わかったわかったごめん」と虎鮫代ちゃんは笑った
もうきみ子のあまえんぼっ。
冬馬君が清香の隣に座り、横には大喜、アミ
邪魔しちゃいけないと、少し離れ後ろに座る多網ママ
「ちょっと離れすぎじゃない?」と空気の読めないサー
「良いの」
「ちゃー(うんち出そう)」多美も頑張りふんばる
冬馬君の心臓はバクバクしていた、ああ横に清香がいる、正直花火は入ってこなさそうだ、前より横が気になってしまう。
その時だった
ヒュー
バアアンッ
色鮮やかなひかりが空に飾られる
「うわぁー」沢山の人が叫ぶ
チラッよこを見ると
清香が嬉しそうに花火を見ずにイカをほうばっていたら笑った。
嬉しそうに、微笑んでいた。
冬馬君はまた何とも言えない、たまらない気持ちになった。
好きな人の笑顔
冬馬君は何だか泣きそうになってしまった。
「綺麗だね」
去年の夏同様この様に言いたくなる
清香のほうが花火よりも美しいよ
まぁ、こんなベタな事言わんが。
ビールを飲みちょっと酔ったサーが隣のママにこの言葉を言っていた。
ママ完無視
肩を落とすサー
ヒュー
パアアアンッ
夜空が明るくなる
花火は綺麗だ
空を色鮮やかに飾りつける
薄暗いコバルトブルーの空に沢山の色織りなす星々を散りばめる
その一瞬の輝きはまるで
僕の胸を和ませる
君の横顔の様
「そう言えば、去年も花火一緒に見たね」清香が言った。
「うんっ」
今年の楽しかった夏の思い出が頭を駆け巡った
夏が行ってしまう
楽しかった夏
もう少し
もう少しだけ
くつろいで、ゆっくりして行っておくれ。
ヒューンッ
パアアアンッ
冬馬君はみんなで見たこの花火を一生忘れる事はないだろう
夏の灯火のような 美しき夢の瞬間だった。




