バルセロナ到着
冬馬君の夏
『バルセロナ到着』
冬馬家族を乗せた飛行機は飛んでいる
冬馬君は映画を観て楽しんでいた。
ああ、スペインどんな所だろう楽しみだなぁ。
まだ見ぬ土地に期待がいっぱい
大喜はゲームをしていて、多網はいまだぐっすり夢の中
きみ子はケツにガスが充満している、さすがのきみ子も今や薄暗い機内の中、ブリッとこくのはためらっているらしい。
あーこきてぇ、思いっきりこきてぇ
きみ子の心中はこう語る
あー56発放てる。
どれだけたまってんだ、きみ子よ。
生きる天才屁こき〜 師 きみちゃん。
サーは少しの機体の振動にも、ビクついていた。
あっ、落ちる? あうえっ!
やっ、うっそーこうくる、あっ墜落?
まわりは相当うっとおしいだろう。
隆は、えっ、ビー〜〜〜フは?寝言である。
よっぽどこの一言にかけていたのだろう。
正子と多網母はスペインの観光ブックを見て盛り上がっている、「わーこの服屋さん行きたい」
「この靴も可愛い〜〜」
飛行機はようやく、乗り換えの地、モスクワに到着する。
着陸の瞬間を迎えた。
とう機はまもなく、着陸します、シートベルトをつけて下さい
と日本語で言いたかったのだろう、しかし、そのセリフを言ったのは間違いなく日本語の分からない添乗員さん。
アナウンスは棒読みでこう流れた。
いまモスクワついた、シートベルト着火
んな、馬鹿な〜〜
素直なサー言葉のまんま受け取ってしまった。
まっ、まじかー、シートベルトに着火あぁー?
あっうそ、墜落?
一人キョロキョロキョロキョロ 20回は首が右に左に往復していた。
その直後、機体は着陸態勢にはいる。
それを墜落の兆しと、捉えてしまった、サー
着火したと思われる、シートベルトをはずす、
ぐぎぎぎ、みっみんなあっ!!
彼は必死だった。
みんな死んじゃうんだ、ぐぎぎぎぎ。
このぐぎぎぎが、サーの必死さを物語っていた。
サーは力を振り絞り最後の言葉を叫ぶ
「みなさん、愛してるよ、そして、フォーエバー マッマ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
その突然の叫び声にギョッとしたのは言うまでもない、身内の面々。
サーは奥さんと多美の手を握り、そして皆を見て微笑んだ、額から、いや全身から汗がビショビショである。
もちろん涙も、ついでに鼻水も。
ぐぎぎぎ 一人目をつむったサー
最後くらい、失禁しても良いか?と心がぐらついた、
男の中の男サー(ちなみに良くする)ああ、いやだめだ
墜落するにしても、漏らしたらみんなにひっかかってしまう、それだけは避けねば。
良かった、どうやら理性はあったらしい。
そして飛行機はふつうに地面に着陸した。
その地面に着いた時の振動を墜落した瞬間と、捉えた二児の父ことサー
「ぐわああああああっ、ゆくよ、ゆくよ〜〜マッマー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜マッマ〜〜〜〜〜〜〜〜マッマ〜〜〜〜マッマ〜〜」
この時、隆は多網父こと通称サーを直視出来なかったと言う。
となりの、母はタヌキではないが狸寝入りを決め込んでいた。
顔からは湯気が出て沸騰しているようだった、こちらも変なあせまみれである。
寝てない事が一目瞭然
正子は目をつむり下を向いている。
こちらも額から恥ずかしさの汗が。
この時、多美が父の代わりに漏らしたみたいだった。
「ちゃーーー」こちらはオムツがあり良かった。
ゲラゲラ笑う子供たち
「ぐげげげげははははっ、おじちゃんイかれてるよいかれてる」きみ子は大爆笑
多網は睡眠中、冬馬君と大喜はあまりの凄さにポカンとしていた。
アナウンスが流れる
「到着いたしました」
サーは泣いた、奇跡の生還?
家族を抱きしめ、叫んだ。
「生きてる、僕ら生きてる、生きてるんだぁー」
泣いた
「僕ら生きてるんだあああああぁぁぁ」
と何故かこの発言に拍手が沸き起こる
「グレート」 「最高よー」「そうだー生きてるんだ」
サーは泣いた、「皆さんも、生きてましたね」
勘違いから生まれたすごいやりとりである。
何故か、機内から降りる時に皆にハイタッチをせがまれたサー
「大切なこと気づかせてもらった」
「家族愛に泣いた」
ただ、墜落にチビっていただけなのであるが。
飛行機をおりた瞬間に言ったサーのこの言葉が忘れられない。
「僕、もう絶対に二度と飛行機乗らない」
どう帰るんぢゃい!!
歩くのか?
サーにとって残念賞ながら、すぐに乗り換えである。
飛行機を降りて、どう乗り換えて良いか分からない、海外旅行初心者の彼らはテンパっていた。
中でも、隆は強烈だった。
「えっ、あっ、何ここ地球だっけ?どうしよう、何処の惑星?」
あんたは、地球に迷い込んだ宇宙人か
「とりあえず、人のあと着いていきましょう」と多網母
がすぐに、前を歩く人は二手に別れた。
「えっ、何 どっち、こっち?あっち?そっち?」焦る大人達
その時、多網が「こっち」
「えっ、すごい多網良く分かったじゃん」と正子
「ふへへ」と不敵に笑う多網。
実は多網がこっちと言った理由は前に綺麗な女性が歩いていたからだった。
そう、ただそれだけ さぁー サー あっサー。
そして、それを信じそちらに向かう阿呆一行様。
運良くあっていた。
人々は並び、パスポートを提示してる。
「えっ、あっ、なにこれどうするの?」テンパル隆
「おじちゃん、落ちついて、パスポートだよ」
「あっ、そうか、きみちゃん、やる〜」
いや、前みりゃ分かる。
身体検査の時、きみ子は妙にスムーズだった。
何故ならたまっていたガス(屁)56発を放ったので、検査する側がはやく行かせたかったのであろう。
なんとか、皆無事に着いた。
「うひゃーここがモスクワ初めてきたー」と冬馬君
と言っても、空港であるが。
大喜も興奮している「もう日本じゃないんだ、日本人が全然いない」
隆はため息をついた「もう言葉が通じないのかぁ」
ここで、多網はスキップをして歩いてる、何だか嬉しそう。
冬馬君は大喜に耳打ちした「きっとロシア人お姉さんが綺麗でうかれてるんだよ」
大喜は笑った「なるほど」
多網は金髪美女の前でなぜか襟を立てたり折ったりを繰り返していた。
トイレに行った、サーは驚いた。
にっ、日本より便器が高い。
サーにとってはチッチがしづらかったとさ。
そして、間もなく二度目の搭乗
この時、誰よりもだだをこねたのは言うまでもないサーである。
「やだよ、絶対乗らないよ」
「あなたー、何言ってるの?モスクワに残ってどうするの、空港の外出れないのよ」
「いいよ、一生空港で暮らすから」
「何言ってるの、ロシアの通貨も持ってないじゃない
」
「みんな、優しいからめぐんでくれるもん」
「スペインに行くんでしょ」
「えーやだよーさっき死ぬところだったんだから、次乗ったら本当に大変だよ」
5歳児のだだこねか!!
何とか大人1人をせっとくし乗り込んだ。
離陸する時
「かなはやなのやぬはらやみなをはにやひー」
着火ならぬ、着陸した時
「ぐぎぎぎぎぎぎ、マッマ〜〜」であった。
飽きさせぬ男 サーである。
ちなみに多網は添乗員さんをくどいていた。
「これ、プリッ」 「今のが平常時のオナッラー」
ブリッ 「ばくはつッツーオッならー」
訳分からんかった。
一応、オッならーと英語っぽく発音していた。
凄かったのは隆、これを見ていて「すごいなー、今の英語教育は多網英語あんなしゃべれるんだ」
おいっ、日本語だっただろ、それすら分からなくなったか、隆よ〜
おお隆 ああ隆 されど隆〜っ
そして、いよいよスペイン到着。
到着した時は夜の8時過ぎ。
「うきゃー遂に着いたー」飛び跳ねる、子供たち。
冬馬君の目は輝いていた。
遂に来たんだ。
多網もきみ子もダンスをしている、喜びの舞である。
ウホウホウホウホウッホッホ〜〜
「ホテルまでどうやって行くの?」と正子
「タクシーで行きますか?」と多網母
空港のタクシー乗り場へ
二台に別れて乗った。
冬馬君と大喜は隆達と一緒。
「じゃあ、多網、きみ子また後でー」
車から外の景色を眺めていた。
夜の空港からバルセロナに向かう景色だ。
「ああ、日本じゃないんだなぁー」と冬馬君
初めての土地に期待とワクワクが止まらない。
子供たちは静かに景色を眺めていた。
隆はチラチラ、運転手さんが気になっている、言葉わからないんだよなぁ。
スペインのかたなんだよなぁ。
人間だよなぁ〜。
なんぢゃそりゃ。
「いよいよ、始まったね」と大喜
「うんっ」
二人はニンマリ笑った
「楽しもう」
その言葉に、隆と正子の気分もあがる。
いよいよ、始まったんだ。
「よっしゃー爆発するぞー」隆の魂にも火がついた
「オーッ」
タクシーは泊まるホテルに着く。
ニッコリ笑いドアを開けてくれた運転手さん
「着きましたよ、ここです(スペイン語)」
トランクから荷物までおろしてくれている。
「あっ、あなたチップたるものを払わなきゃまずいんじゃないの?」
「あっ、そうだよ、お金どれだか分からない、これでいいかな」
手渡した時、確かに運転手さんは小声でこう言った
「おっ、おお〜」
手渡したのは日本円のところ一円だった。
後から、到着 多網達の乗るタクシー
さっそく、ホテルの中へ
「朝食は毎朝食べ放題だって」と正子
目を輝かす、食べるの大好き、多網ときみ子
大人達は必死にチェックインをしている
子供達のこの瞬間の嬉しさと言ったらもう
「遂にバルセロナ来たね」きみ子は笑う
「どんな旅になるかな」と大喜
「間違いなく」とニンマリ冬馬君
「最高ー」叫ぶみんな。
なんとか、チェックインをすませ、部屋へ。
部屋は二つ
子供達は別れたくなかったので皆、多網家族の方に向かった。
「四人じゃ大変だから、あなた達はこっち来なさい」
と呼び戻される冬馬君と大喜
「いや、大丈夫ですよ」とサーが言ってくれた。
「すいません」
ありがとうサー
部屋に入る瞬間もまたワクワクする
ガチャ
「わーここで過ごすんだぁ」
ベッドが四つにテレビ、思いのほか大きな部屋だった。
「シャワー室も綺麗」と多網母
子供たちはベッドに寝そべった
「いやー横になって足のばして寝れるのって最高だねー」と冬馬君
ずっと飛行機に乗ってるとこんなところにありがたみを感じる。
そう考えると普段当たり前に出来てる沢山のことにありがたみがあるんだなぁ、なんてしみじみ感じた。
トントン
ドアをノックする音が
「はいっ」とサー
ドアの外には、隆と正子
「どうしました?」
「いやぁー少し小腹がすきません?せっかくだしホテルの横にレストランあったし、行きませんか?」
子供たちは飛び起きた、「賛成〜」
かくして、これからバルセロナ初の食事に出発〜
旅は始まったばかり どんな旅になるのやら。
つづく




