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冬馬君の夏  作者: だかずお
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キャンプ前夜




『キャンプ前夜』





人糞が雨を降らしている。


ここから、読んだ人には意味不明な文章であるのは間違いない。

少なくともこの雨は奴のせいだと、

冬馬君と大喜は疑っている。


その夜は多網のつくった人糞坊主のせいなのか?凄まじい雨。


多網はまだゲラゲラ笑っている、

「人糞が窓にぶら下がってる~」



今や色まで塗られたそいつは、

結構リアルである、奴の目が意外にこわい。



ザーッ ザーッ

雨戸にあたる雨は強く、やはり

こんなシチュエーションでの強い雨

は楽しい。


みんなは、布団にもぐった、隠れろー


ザーッ ザーッ ザザー。

「人糞に目をあわせるな、食べられるぞー」大喜が言った。


「ひぃぃぃぃーっ」


「だから、俺はテルテル坊主だ」

怒った人糞は雷を家に落とした。


バリバリバリバリ~ッ

何て馬鹿な事は起こらなかった、奴にそこまでは出来ない。


「ねぇ、こんなシチュエーションはやっぱり怖い話でしょ」

とすかさず冬馬君。


すると、突然立ち上がり部屋の電気を消す多網

そして自分のカバンから懐中電灯を取り出した。

あんた、

冬馬君家に泊りに来るのに懐中電灯を持って来てるなんて、準備がよすぎるよ・・・

多網は怖い話をする時の為に懐中電灯を持参していたのだ。

他に鞄に入ってたのは何故かグミだった。

これまた本当に本当にどうでもいいことだがオレンジ味だった。


部屋は真っ暗、懐中電灯も手には持ったがまだついていない。


「ひぃぃぃっー気分でる~」

何だか、冬休みの婆ちゃん家の旅行思い出すね」冬馬君がつぶやいた。


「確かに」



「こないだ」

突然多網が語り始めた。


「家に居たら、身体動かない」


「かっ金縛りだ」二人は興奮した。


「違う筋肉痛」


ずてん、二人は期待が外れ枕に首をつけた。


「そんで?」


「目だけ動いて、キョロキョロした、身体が重い」


「まっまさか?上に誰か・・・」


「筋肉痛」

首を横に振った多網


ズデン(期待外れて枕に顔をつける二人の効果音)


「でも、何かいる」


「部屋を見たら、半透明の女の後ろになんとネズミがいた」


「ひぃーぃーい」

って、ちょっと あんた

半透明の幽霊通りこして、メインは

ネズミかよ、そこじゃないだろ~。



突然多網は自分の顔にライトを当て

「なけなしー」

と意味の分からない事を叫んだ


「ひゃあーーっ、なけなし?」

とにかく怖い 二人は布団にもぐった。

多網は驚く二人を見てご満悦

ニヤリ微笑んだ。

ただ、なけなしって意味が分からなかった。

それに、何だかこわがってるものが違うような変な話だ。


「じゃ次は僕」

その時だった。


ボトッ。


何かが落っこちた。


「えっ?」


三人は見上げると、何とあの人糞が目の前におっこってるではないか?

三人は人糞と目が合い。

あまりの驚きに叫んだ

「うぎゃーーー」



「多網、電気つけて」怖くなった大喜は叫んだ


しかし、多網もまた布団から出るのが怖くなり、こう言い訳した。

「足つった」もちろん足はピンピンしている。

どうでもいいが百メートル走も全力で行けるだろう。



ザーッ ザーッ ザザーッ

雨は雨戸に強くあたっている。


「ねぇ、明後日晴れるよね?」

と心配になった冬馬君。


「晴れなきゃ、中止かな?」

大喜も心配そう。


多網は落ちた人糞をチラチラチラチラ

見ている。

あっ、手で掴んだ。


ヒョイっと布団の中に放り込み

「人糞 人糞 人糞」

もはや阿呆である。


「ひゃあー」


冬馬君は人糞をゴミ箱に放り込んだ。

「あーれーっ」


はしゃぎ回った、三人は物凄く暑くなった 「暑いー」


「南極大陸ゴッコ」

と多網


「なんじゃ、そりゃ?」


突然多網は冷房をつけ始め

設定気温は最低温度。


布団にもぐった。

「これから、これから」


一時間後、真夏の夜に三人は

毛布にくるまっている


「えへへ、寒いね」


「うん、寒い、震えがくるね」

と寒がる、冬馬君と大喜。

もはやおバカである。


鳥肌をたてながら満足気な表情を浮かべ多網は笑っていた。

「ふふふふ」

おバカの王はこいつである。



雨の音を聞きながら、毛布に包まり朝まで話していた三人。

ああ、休みが始まったばかりのこんな夜は楽しいものだ。

ずっと、こんな生活出来たらなぁ。

そんなことを思い眠りについた。


翌日は晴天

ああ、やっぱあいつのせいだったのかと妙に腑に落ちた三人だった。


「いよいよ、明日キャンプ楽しみだ」

もう、冬馬君は清香に会えるのが嬉しくて仕方が無い。

今から緊張していた。


ようし、今日は明日に備えて

お洒落しよう、冬馬君は決めた。


多網や大喜も大賛成。

皆は、婆ちゃんにもらったお年玉を持って来ていた、ようし買い物行っちゃえー。


もちろん、正子には内緒である。



昼ご飯を食べた後、

三人は近くのデパートに歩いて向かった。


「ようし、買うぞー」意気込む冬馬君

さっそく、洋服売り場へ

それぞれ洋服を選び試着室に入った。

まずは大喜、カラフルな色したTシャツに黒い半ズボン。


「大喜似合う」


「えへへ」


ついで多網

カーテンが開き中から出て来たのは

なんとあの人糞だった。

と見間違えるほどの真っ暗な服。

上から下まで更には靴したまで全部黒。

そして「うおっ」

Tシャツに描かれた文字はThis is me

だった。

ちなみに、三人共意味は分かっていない。

多網は中学に入って英語の授業が始まっているのだが、

これが英語だと分かっていたのかは謎だ。


「多網これどういう意味?」

と大喜。


「外来語で多分、夜明けとともにだと思う」


「へーっ、かっこいい」


「凄い多網」


「てへへ」身体をくねらせ頭をぽりぽりかき多網は喜びを表現した。


こらー適当に解釈すな~全然嘘やんけ

ーなにが、夜明けとともにだー。


ついで冬馬君


なんと普段かぶったことのない帽子までつけている


おーっ冬馬気合い入ってる。

可愛い絵の描いてある、ポロシャツに

ジーンズだった。


だがこの事が後に大ピンチを引き起こす事にまだだれも気がついていない。

読者のかたには先に伝えておこう。


そう、おケツのところが破れていたのであった。

冬馬君の可愛い白いパンツが丸見えだったのである。



三人は満足した。

こりゃ明日気合い入ったね。

「僕こんな時じゃなきゃ お洒落しないからさ」と冬馬君


「なんか、違う服着ると自分が変身したみたいで良いよね」と大喜。


「うん、気分も変わる」冬馬君は頷いた。


「あーっ、いよいよ明日か、なんか楽しみだし、ドキドキするね」

冬馬君は笑って、もう明日が待ちきれない様子。


家に帰った三人は、さっそく冬馬君の部屋にかけこんだ。


ああ、やっぱり三人で一緒に居れるの最高だ。

家に帰っても、一緒に居れて、ご飯食べる時も、お風呂に入る時も寝る時も

ああ、最高だ。

やはり、休みの二人が泊りに来る日々は格別なものであった。


明日は多網ときみ子それに清香にアミ

六人揃うのは始めてだ、一体どうなるんだろう。


そんな中多網が突然「秘密な計画」

とポツリ。


「何何?」


「二人の恋を実らせる」


「ひょー」 「ひょー」

二人は興奮した。


「二人っきりの時間を沢山つくる」


「うおーっ多網気がきく、さすが中学生」


多網は親指をあげた。

果たしてこやつに任せて大丈夫なものだろうか?は謎である。


「二人は好きって伝えるの?」

突然の質問に胸がドキッとした。


「やっ、やめとこうかな」と大喜


確かに伝えたい、でもこわすぎた。

もし、断られたらもう二度と友達としても会えなくなってしまいそうで、

もうサヨナラになってしまいそうで

それはこわかった。

でも、いつかはそんな時が来るのかな?


そんな真剣な事を冬馬君が考えてる最中 多網は鼻くそを喰っていた。


夜、隆が帰ってきて皆でリビングで

夕食の時間。


「いやー明日は泊まりがけキャンプ

みんな楽しみなんじゃない?」


「最高」


「また、あの家族と一緒にキャンプするって、人との縁は本当にすごいものだなぁ」

隆はビールをゴクリとつぶやいた。


人との縁

宝くじ一等を当てるより

凄い確率だ、同じ時代、同じ国、更には同じ地域 ちょっとでもずれたら会わなかったんだ。

もうこれは、偶然何てものを越えたなにかが働いてるようにも感じる。

もしあの時、あの場所で君と出会ってなかったら。

そんな出会いが人生には多々ある。


「明日は朝6時くらいに出発するからはやく寝なさい」と正子



「はあーい」


夕食後、三人はお風呂に入った、話題はもちろん明日のキャンプ。


「夜は怖い話大会しよう」


「良いね多網それ」


「肝試しもいい」


「うひょー」


「もちろん川で泳ぐよ」


「ひゃっほー」


「夜は去年清香の家族に教えてもらった温泉も入れるね」と冬馬君


「ひゃっほー 最高」


いよいよキャンプは明日にせまっていた。

三人のワクワクは止まらない。

気がかりは破れたジーパンである。





つづく。


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