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人生何があるか分からないから面白い


こんなこと最初に言ったのは誰だろう。

本当にそう思う?


幸せの絶頂にあって、未来が光り輝いていたのに何の前触れもなく唐突にその幸せが壊されても。

面白い 

なんて言える?




たとえば、結婚式。

教会で。

誓いの言葉を陳べ、顔を覆っていたヴェールをはずされる。

顔をあげて見つめた先の相手が、やや緊張した けれど とても真摯な面持ちで自分を見つめ返していたら。

緊張しながらも私は相手に微笑みを向けるだろう。

この人とこの先ずっと一緒に歩んでいく。

その未来に続く幸せをかみしめながら。

誓いの証を立てるためそっと目を閉じるだろう。

これから夫となるその人はいつもと違うぎこちない仕草で、人生で一番優しい口付けをくれるだろう。



よくある教会での結婚式。ありふれている、けれども私が今まで夢見続けたワンシーン。



今日私は、まさに幸せな花嫁になる予定だった。


父親と一緒にバージンロードを歩いた。

親戚、友人、同僚が見守ってくれている中、人生でたった一人のパートナーのもとへ。

いつも豪快に笑う父は神妙な顔で 潤ませた瞳で 優しい笑顔を私に向け、息子となるその人へ組んでいた私の腕を預ける。

父につられ涙目になっている顔を見せたくなくて、そこにいた彼の顔を見上げずに、うつむいたまま彼の腕に手を添えた。




見続けた夢が叶ったのはここまでだったのじゃないかと、今、私は思う。




誓いの証を立てるため、はずされたヴェールの向こうにいたのは


人生26年探して、巡り合ったはずの





彼じゃなかったのだから



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