表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

新風吹く頃に

今から何百年も前、遥か昔の事である。




世界は強力な国家による統一、それに反する者達による分裂を繰り返し、小規模から中規模の国家が乱立する時代を迎えた。


統治者はより大きな支配域を求め、民衆は解放と自由を望んだ。


その為に国家間の争いは絶えず、民衆の蜂起は後を絶たなかった。


そんな世界において、強大な武力を誇り、強力な支配により、他の国に侵略される事無く、統治を続ける国も有った。


その一つがペルナ帝國である。


東・北・西の三方を山脈に囲まれ、南に大河が流れる。


自然の助けもあり、この山と川に囲われた平野は、歴代の統治者により、一国支配を続けていた。


外患は、山に拒まれ、大河に流されて来たのだ。


このペルナ帝國は、山に隠れ、大河の流れに乗り、勢力をみるみる拡大していった。


周辺諸国は次から次へと、帝國の侵略による併合、及び統治権の放棄により、支配下に組み込まれていった。


ペルナ帝國は、地域の覇権をほぼ手中に納めたように思えた。


しかし、時勢には逆らえないように、外側から次第に勢力域を狭めていってしまったのである。


その原因は、皇帝による強権的独裁体制の恐怖政治に因るものである。


その政治手法は代々の皇帝に受け継がれ、民衆の命を賭けて抵抗した結果である。


最終的には伝統的統治領域である、山と川に囲まれたペルナ平野、及びペルナ平野を囲む領域を支配下とした。


だが、平野外域の分離独立も一定の終息を迎えた後も、皇帝による専制政治は変わることなく、民衆は戦時の負担も加わり、疲弊していた。


そして、このペルナ帝國も世界の流れに流されるかの様に、自由を求める民衆により、歴代皇室支配の幕を下ろす事になる。


ペルナ平野に今、革命と言う新たな風が吹く。


それは突風のようであり、嵐の如く吹き荒れた。


必ずしも疲れ果てた民を優しく包む、春のそよ風のようにはならないのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ