転生を選びます
僕は列車の脱線事故に巻き込まれて死んだ。そう、確かに死んだはずだ。あんな大怪我で生きているはずがない。なのに意識がある。ここはどこだ。何もない真っ白な空間が僕の目の前に広がっている。
「佐藤健太、君は地獄と転生どっちを選ぶ?」
全身真っ黒な怪しげな男が、僕にそう尋ねた。僕が疑問を投げる隙を与えずに続けて言った。
「一応言っておくが、君は天国にはいけないよ、君は今世でなんの偉業も成し遂げていないからね」
言いたいことはたくさんあるが、なんで天国じゃなくて転生なんだ。
「どうやったら天国に行けるんだ?」
「転生して偉業を成し遂げればいいんだよ」
「偉業って具体的になんなんだよ?」
「簡単さ、人の役に立つ発見や発明、あとは魔物から人々を守ったりとかね」
「魔物ってアニメの世界によく出てくるやつか」
「うん、転生先にはファンタジーの世界に出てくるような魔物がいるんだ」
続けて男言った。
「君が転生を選ぶのならね」
僕には転生するという選択肢しかなかった。魔物ってなんだよ。そんな危険な世界で僕が生き残れるはずがない。僕の気持ちを察したのか男は言った。
「そう案じることはない、その世界では魔力というものがあるから」
まぁ、確かに魔物が存在するんだったら魔力も存在すろよな。とは言え、全く安心できない。僕にそもそも選択肢はないしな。
「決めた、転生を選ぶよ」
「おっけー、天国に行けるように来世はがんばってね」
男がそう言った瞬間、僕の体、いや魂は眩い光に包まれた。そして、僕の体は赤ちゃんの姿になっていた。




