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雲の上と草の根~実は高スペックなことを本人だけが知らない~  作者: あかかど


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残りの生徒会メンバー

俺はその後天城先輩に過去の生徒会の話などを聞かせてもらった。


そう言えば俺は結構多くの生徒会メンバーと会ってきたが。副会長と会った事はない。それどころか誰なのかも分からない。


「天城先輩、生徒会って1年生含めなかったら全員で何人いるんですか?」

「2年生4人の3年生3人の合計7人だよ!誰と会ったことある?」

「3年生は金城(かねしろ)会長と茂木(もてぎ)先輩、2年生は不知火(しらぬい)先輩、水無月(みなづき)先輩、天城(あまぎ)先輩の三人ですね」

「なるほどね~確かに残りの二人はあんまり生徒会室に来ることないもんね。でも安心して、二年生の方はちゃんと仕事してるから」

「二年生の方は?」


会った事が無いからと言って仕事をさぼっていると考えたことは無かったがその話ぶりだと副会長はあまり仕事をしないのだろうか。


俺は前から気になっていたことを天城先輩に聞いてみた。


「副会長に実際にあった事ないから分かんないですけど、何だか話を聞く限り茂木先輩の方が副会長っぽいですよね」

「あ~だよね。私も思うし多分実際会っても副会長っぽくないって印象変わんないと思うよ。実質的な立ち回りと仕事内容は(たける)先輩がやってるし」

「でも不思議な事にあの会長や真面目な不知火先輩がそのことを放置してる…不思議な人ですね」

「本当凄く不思議君だよ、一見普通の人っぽいけど。猛先輩も口ではどうにかなんないかなっては言ってるけど喜んで仕事引き受けてるところあるし」


俺達は冷凍庫の中を魚が入るように整理しながら入れ終えた。整理し終えると天城先輩は冷蔵庫からジュースを取り出しコップにジュースを注ぎ俺に渡してきた。


「お疲れ様、これ私が冷やしてたジュースだから気にせず飲んで」

「ありがとうございます。いただきます」


俺は乾いていた喉をもらったジュースで一気に潤す。あまり飲んだことのないフレーバーのジュースだったため味を楽しめた。


「やっぱりまだ会ってないメンバーとも近い内には会う事にはなると思うので今のうちにどんな人か知っておきたいですね…その二人はどんな雰囲気の人ですか?」


俺が何となくで聞いた質問だったが天城先輩は少し悩ませて考えていた。


「別にそこまで深く考えなくていいですよ、不知火先輩は真面目、水無月先輩はギャルっぽいみたいな感じで」

「うん…いや分かってるよ。でもその二人はちょっと難しいって言うか…」


天城先輩はしばらく考えたあと考えがまとまったのか話し始める。


「う~んとね…二年生の方はいい意味では常に達観している位置にいる悪い意味では常に傍観者?まぁ普通にいい人だし友達も多くてちゃんと頼りになるんだけどね。何なら二年生の中で一番生徒会に貢献してるかも」

「へ~、一番ですか」


俺は生徒会室に何回も行った事があるわけではないため生徒会の仕事を全部知っているわけではないが全員ものすごい量の仕事を捌いているのは分かる。俺達新人の1年生と仕事に慣れている2年生の仕事量は全然違うだろう。しかも一人一人担当している仕事も全部同じでは無いだろう、その中で一番貢献しているとは。


「副会長はね…いっつも()()されてる人?」


今のは俺の聞き間違いだろうか?拘束(こうそく)という普段の生活の中では聞かないような穏やかじゃない単語が聞こえてきた気がする。


俺は聞き間違いであるという事を信じてもう一度天城先輩に尋ね帰す。


「すいません、今うまく聞き取れなくて…。もう一回言ってもらってもいいですか?」

「いっつも拘束されてる人」

「拘…束…」


どうやら俺の耳は正常だったようだ。今回ばかりは異常であって欲しかった。


「あとは~仕事サボる、雫と生徒会室でお菓子食べる、あ、あとあれ!じゃんけん強いよ!」

「すみません一番最初のインパクトがデカすぎて後半どうでも良いです」


天城先輩がいくつか教えてくれたが後半の方はもう耳には入ってこなかった。それくらい拘束という二文字の言葉が大きすぎる。


「拘束ってどういう意味ですか?」

「副会長高頻度でサボるし逃げ足早いから会長と猛先輩がたまに拘束して無理矢理生徒会室に連れてくるんだよ。生徒会では普段の日常だよ。連れてくるって言っても特定の行事だったり大切な会議だったり本当に大事な時だけだけど」


いくら逃げ足が速いからと言って拘束してまで連れてくるのはどうなのだろうか。


そんな事を考えると同時に俺はまだ見ぬ副会長にとても興味を持った。いや、こんなエピソードを聞かせられたら俺だけじゃなく誰でも興味を持つだろう。


「まぁ副会長の事は会長に聞くのが一番だよ。会長と副会長幼馴染だから学校にいる誰よりも知ってるから」

「そうなんですか」


これは副会長がおかしいというよりやはり会長がおかしいのではないだろうか。いやだとしてもあの常識枠であろう茂木先輩も一緒になって拘束しに行っている時点でやはりおかしいのかもしれない。


やはり金城会長という不思議な人の周りには不思議な人が集まるのだろうか。


「じゃあ戻ろっか。副会長の事なら会長に聞けばすぐだから聞いてみな!」

「そうですね、教えてくれてありがとうございました!」


俺はクーラーボックスを邪魔にならない位置に移動させリビングに戻る。リビングに戻ると秀一と会長がパソコンをにらみながら資料を見ていた。


「このページのここの文もう少し言葉遣いを直した方がいいかも。あとこの表だと見ずらいからちょっと手直しが必要ね。この資料の9Pの表を参考にして頂戴」

「ここのテンプレートってどうですか?」

「ここは問題寝いわ。でも次のページのテンプレートを―――」


席を外している時間はおよそ10分ぐらいだったと思うが二人は既に仕事モードへと切り替わっていた。


「この様子じゃ今聞くのは難しそうだね」

「そうですね。俺達も仕事しましょうか、何手伝えばいいですか?」

「それじゃあこの資料のまとめお願いできる?簡単だから大丈夫だとは思うけど分かんなくなったら聞いてね」

「分かりました」


そうして俺たちはその後1時間位作業を行いある程度区切りが良くなった所で仕事を終え会長のアパートを後にした。

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