表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雲の上と草の根~実は高スペックなことを本人だけが知らない~  作者: あかかど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/45

間接キス

「じゃあプリクラも取ったし今度こそご飯にするか。なんか食べたいものとかある?」


 ゲームセンターから出て歩きながら三人に質問する。正直俺は何でも良いため他のみんなが食べたいものを食べる。


「俺も特に食いたいもんないし何でもいいな。あ~でも強いて言うなら俺麺類が食いたい。麺ならラーメンでも蕎麦でも何でもいいぞ」

「私はスイーツとかが良いな~」

「私はせっかく遊びに来たんだしどこでも食べれるチェーン店とかじゃないような店が良いな」


 三人の要望はそこまで難しいものはないため意外とすぐに見つかりそうだ。そんな事を考えていると通りから少し離れ、奥まったところに喫茶店の看板を見つける。看板にはダンデライオンと書かれている。恐らくこの喫茶店の名前だろう。俺はそこに駆け寄り外においてあるメニューを拝見する。メニューにはサンドイッチやオムライス、そして目的の麺類であるパスタやスイーツのパフェやケーキなどもあった。ここなら恐らくチェーン店でもなさそうだし良いだろう。


「こことかどう?みんなの要望全部満たしてるし」

「どれどれ…お!パスタあるじゃん!」

「スイーツも美味しそう!」

「いいじゃん!ここにしよ」


 どうやら異論はないようだ。店内に入ってみると昔ながらの落ち着ける雰囲気であり、周りのお客さんも穏やかな雰囲気の人が多い。


 席に案内され、みんなでメニューを開き何を食べるか話し合う。

「俺も秀一と同じくパスタにしよっかな後アイスコーヒー」

「じゃあ俺もアイスコーヒー」

「私はオムライスとデザートにパフェ頼もっと、海香は?」

「私はサンドイッチとメロンソーダ、あとチーズケーキ」

「全員決まったな?じゃあ店員さん呼ぶぞ」


 各々の注文する物を決めたところで店員さんを呼び、料理を注文する。そして料理が来るまでみんなと雑談する。


「今日初めてまっこちゃんと行動したけど、まこっちゃんも秀一君と雲雀が気に入るのも納得の化け物ね。Aクラス落ちたって言うのが間違いなんじゃないかって言うのも納得だよ」

「俺をこんな化け物どもと一緒にするな。第一今日一緒に行動したって言ってもただゲーセン行ってご飯食べようとしてるだけだろ。どこを見たらそう思うんだよ」

「何個かあるけど、2つかな?1つ目は今日ナンパされたときに最後ナンパ達が私の方によって来た時一人の腕握ってたでしょ?ナンパも全く動けてなかったし撃退した後握られた腕見てみたら凄い色になってたから相当握力強いんだなって、2つ目にバスケ、ふつうあんなに早く正確にボールをシュート出来ないし、それに終わった後もあんなに激しく動いたのに息切れどころか汗一粒もかいてなかったし」


 よくそんな短い期間でいろいろ観察できるものだ。流石はAクラスだな。と言うより波風の観察眼が特段いいのだろう。


「そんな事ないよ、実際俺は動きを止めただけでナンパを撃退したのは秀一の力だし、バスケだって俺と秀一が1on1をしたら俺の勝率なんていっつも4割で五分まで持っていけないし」

「体育のバスケでうちの男子が総出で秀一君を止めようとしても止められないのに一人で抑え込めるなんて…なるほど謙遜が過ぎるところも前に秀一君が言ってた通りだ」

「毎回思うけど秀一、お前は俺を買いかぶりすぎだ」

「毎回言ってるけど誠翔、お前は自分の能力を下に見すぎだ、お前の能力は見る人が見ればどんな手を使ってでも欲しい能力だぞ」


 その後も様々な会話をし、5分ほど経過したところで全員の料理が到着する。


「お~!旨そうだな!じゃあ冷めないうちにいただくか。いただきます」


 秀一の掛け声とともに全員が料理に手を付け始める。


 俺が注文したパスタはミートソース系のものだ。一口麺を口に入れると、トマトベースのソースと粉チーズが麺に絡まり塩味や酸味の中にほのかに甘みも感じとても良い味だった。他の皆も料理がおいしいのだろう、料理を頬張らせ黙々と料理を食べ続けていた。


 あっという間にパスタを食べ終え、アイスコーヒーを飲み一息つく。


「う~ん!このパフェ美味しい!」

「パフェか、俺もなんかスイーツ頼めばよかったな」

「食べる?秀一君もどう?」

「俺はいいや」

「じゃあ誠翔どーぞ」


 そうしておれは雲雀からスプーンを受け取り一口パフェを頬張る。パフェの味はソフトクリームやスイーツ、ホイップクリームなど一つ一つの味がとてもよく一口で味に引き込まれた。


「ふ~ん」

「?。どうした、波風」

「いや、雲雀とまこっちゃんは間接キスとか気にしないんだなって」


 あっ…言われてみたらそうだ。俺は別に気にしないが雲雀は女子だからそういうところを気にしてしまうかもしれない。雲雀の顔を窺うと顔を赤らめている。やっぱり嫌だったようだ。


「わるい雲雀さん、何にも考えずにスプーン使っちゃった。店員さんに新しいスプーン頼むよ」

「いっいや⁉全然嫌じゃないけど⁉だっ大丈夫だから⁉」


 そうは言うがずっとスプーンを眺め一向にパフェを食べ始めない。俺のせいでせっかくのパフェがぬるくなってしまうのは心苦しい。


「気使わなくていいよ…すみません、新しいスプーンお願いします」


 俺は店員さんから新しいスプーンを受け取り雲雀の握っていたスプーンと交換し店員さんに預ける。


 しかし、雲雀は何だか余計に落ち込んでしまった。悪いことをしてしまったな…


「雲雀…ドンマイ…」

「なっ何が⁉」

「いやもう今日一日の行動でもうバレバレだから」


 そこからは俺には理解できない女子トークが繰り広げられた。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ありがとうございました」


 この喫茶店のマスターであろうご年配の男性の挨拶聞きながら俺達は喫茶店を後にする。この喫茶店は料理もおいしいし雰囲気も穏やかだ、更に少し位長居しても問題なさそうな座席数もあった。気に入ったので必ずまた来ることにしよう。


「服も買ったし飯も食ったしそろそろ帰るか、誠翔はそれで良いか?それともほかにどっか行きたいところあるか?」

「いや、今日はもう満足したよ」


 ちょうど満足したと思っていたところで秀一が帰ろうと言ってきた。


「私たちも今日は満足したし帰ろっか」

「そうだね、じゃあ一緒に帰ろ!」


 雲雀たちも帰宅をするようだ。全員帰る方向は同じなためみんなで駅に向かい電車に乗った。


「今日服買ったんでしょ?今度着てる所見せてよ」


 目的の駅まで電車に揺られながら座席に座っていると雲雀がそんな事を聞いてきた。


「別に見せてもいいけど俺にはなんか大人っぽ過ぎる気がしてなんか似合わない気がするんだよんな」

「全然いいよ!絶対そんな事ないから」

「そうか?じゃあ今度遊ぶことがあったらその時着てくるよ」

「ホント?絶対約束だよ」


 次遊ぶときに今日買った服を着るという約束をしたところで目的の駅に着き電車を降りる。駅を出てみんなで談笑しながらしばらく歩く。


「じゃあ俺こっちだから」

「まこっちゃんって寮じゃないの?」

「うん、知り合いがマンション持ってて空いてる部屋を貸してくれてるんだ」

「そうなんだ、じゃあ気を付けて~」


 そうして俺は三人に見送られながらマンションに向かう。


 マンションに着き今日撮ったプリクラを机の上に飾る。そして今日買った服を着て鏡の前に立ってみる。


「…まだ着こなせてはないけど買ってよかったな」


 今日一日で思いがけないことがいくつかあったが、楽しいこともあったなと今日一日の思い出を少し振り返る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ