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第一章 月虹

 雨が上がり、周囲が薄紫色の夕景になり始めた頃、白く光る丸い月が山裾から上り始め、やがて月は空上に達した。青白く光る月に照らされた山際に、緩やかな丸みを帯びた虹が現れた。ここが広大な荒野なら、周囲全度に視界が広がり、荒野の海原に大きな半円の虹が浮立っているように見えるだろう。 

 太陽が沈み、澄み切った紺碧の空に多数の星が輝くとき、真っ白な丸い月と鮮やかな虹が広い空間を彩る。それが「月虹」だった。

 この日本で、一生のうちに何度見ることができるのだろうか。いや、きっと一生に一度でも見ることができれば運が良い方だろう。月虹を見た人には幸せが訪れるという言い伝えがある。はたして、どんな幸せが訪れるのだろうか。

 ぼくの名は虹。ぼくは、お腹の中でその月虹を見たことがあるようだ。ただそれは、遠い昔のこと。それも、母から聞いた話の中の記憶だ。



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