表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

1.この世は理不尽なことばかり

失踪すること前提なのでほのぼのとお待ちしてみてください

 私、五十嵐いがらし 海羽みうは居酒屋で飲んだくれていた。

いや、言いたいことはわかるよ?

なんでこの小説の主人公がいきなり居酒屋で飲んだくれてるんだって突っ込みたくなる気持ちは良く分かってるつもりだよ?

小説的にも非常にまずい絵面であることは良く分かってる。

でも飲んだくれていないとやっていられないような有様なのだよ……

私の話を聞いてくれよぉ……

という訳でミュージックスタート!


 ミウです……

日本にいたころ、女子高生をしていたとです……

でも、気が付けば神々しい場所に飛ばされていたとです……

若干腐女子なのになぜこんな神々しいところにいるとです……


 ミウです……

神々しい部屋に飛ばされたのはいいのですが、自分が死神である現実を脳内に突き付けられたとです……

なぜ、花の女子高生が中二病をせんといかんとですか……


 ミウです……

死神を自覚したところ、いつの間にかいた神様に『あっ、ミスった』って言われたとです……

私は間違えて中二な神になったとです……


 ミウです……

ミスった責任を押し付けられて、人間に戻されたとです……


 ミウです……

痛々しい魔法の知識が消えません!


 ミウです……

帰されたはずが異世界とです……

どうやって帰れというんですか……


 ミウです……ミウです……ミウです……


 はい、こんな感じで悲劇的な経緯の後現在に至るわけですよ。

酒でも飲まなきゃやってらんないっての!


 痛々しい魔法を習得してさらに一時的とはいえ中二病全開な神様になって挙句の果てにはこの有様じゃい!

誰か助けて~!

そこに現れたのがお酒!

いやー最高だね!


 JKが出来ない世界なんてくそくらえ!

ちなみにJKってのは常識的に考えてね。

女子高生って勘違いしたそこの男子、あとで締め上げてやる。

居酒屋で飲んだくれた元女子高生、元死神が締め上げてやる。

ふふふ~どこから切り落としてくれよう……


 という冗談は置いといて。

とりあえず異世界に飛ばされた私は冒険者ギルドに向かったわけです。

だって憧れない?

異世界の冒険者ギルド。

男の子なら誰でも行きたがるでしょ普通。

そして私のステータスがこちら!


―――――


 ミウ=イガラシ《リアーナ=ムエルテ》 Lv.1


 人間


 HP 200

 MP 300

 SP 100


 称号

 『The Grim Reaper』


 スキル

 「死生魔法」「勤勉」「遠目」


―――――


 もう痛々しいものが端々に現れてるね。

称号なんてもろ「死神」よ?

そして痛々しい魔法は「死生魔法」に違いない。

この中で私にぴったりなのは「勤勉」だけに違いない!

高校のテストでは下から数えた方が早かったけど……「勤勉」だけが私の味方に違いない!


 んで、冒険者ギルドで冒険者登録して初めての討伐依頼。

と思ったら受付のお姉さんは渋い顔。

まあ普通なら薬草採取とか迷子の犬とか探してほしいのかね?

と思ったら案外そうでもないみたい。

曰く……


 ・この国は魔人の国である

 ・この国で人間は劣等種である

 ・この国で人間は基本的に奴隷生活をしている


 とのこと。

うわー、まさかの人類敵対国家に飛ばされたのか……

ないわー。

某蜘蛛ではないけどないわー。


 そんなこと言われても注意のしようがないのが世の中。

困ったときはどうにかしますの精神で生きていくことにした。

お姉さん、貴重な情報と人間なのにこんな親切な対応をしてくれてありがとう。

と思ったら人間を奴隷にして見下すっていう意見自体が結構批判され気味なんだとか。

なんだ、感謝し損じゃないか!なんてことを考えていたらお姉さんから冷たい目線を頂きました。

かき氷を周りに置いているような気分になりました、まる。


 話を戻しまして…

討伐依頼とはいっても魔獣とかじゃなくて普通の害獣。

サルを二、三匹殺してこいっていうそういう依頼だった。

町の近くの森をちょっと入った所で25匹くらいのサルの群れがいた。

本当に普通のサル。

地球ではニホンザルになるんじゃないかな?

そんな感じのお猿さんを見つけた私はとりあえず持っていた「死生魔法」を発動した。


 これがヤバかった。

何がヤバいって普通に魂が見えるのよ。

で、普通に寿命が見えるし殺すには何が最適かまで手取り足取りわかる。

ヤバいでしょ?


 で、相手を死に至らしめるタイプの魔法が脳内にずらり。

えげつない魔法がどんどんと頭の中に浮かんできていた。

うん、いちばんやさしい奴で仕留める感じで。

死生魔法発動、「眠りの手」!


 ぐおぅメッチャMP持ってかれた!


 MPはすっからかんになってHPも150まで減った。

どうやら魔法一発一発がかなり大量のMPを消費していくらしい。

そしてMPが切れるとHPが消費されるのね。

これ普通にHPが0になったら詰みゲー、っていうかゲームオーバーな感じですか。


 ちなみにゲームオーバー=死なので復活の要素はない。

いったいどこのソー〇アー〇オン〇インだって感じだが残念なことにCPUとかそういう物はなく、全員が登場人物、いわば主要キャラなのかもしれない。

知らんけど。


 また脱線した話を戻しまして……

一応、この魔法は外傷を一切負わせずに殺すタイプの魔法だったらしい。

とはいってもMP消費が一番少なそうな魔法だったからある程度強い魔獣とかだったら耐える可能性は大。

パッと理解した感じ多分防御バフとかそういうのを貫通して一定量のダメージを与えるタイプの魔法なんだと思う。

知らんけど(二回目)。


 で、お猿さんを倒したらすべき事。

長々と説明して尺稼ぎをしていたのもこれをしたくないがためだ。

不承不承に私は袋とナイフを取り出したのであった……


「はい、合計で460ウィーラになります。」

「わーいエール九杯分だー。」


 ミウ(リアーナ) は エール九杯分 の お金 をゲットした!

……少ない。

あと十一杯分のエールが必要なのだ!

という訳で近隣の魔物を少し殺して……ってそうか今の私普通にHP150しかないんだ。


 「眠りの手」の消費MPは450。

あと一発でも撃てば私はゲームオーバーだ。

……自分のHPを犠牲に殺意高めの魔法を一発。

ちょっと憧れなくもないけどさすがに死にかけるような真似はしたくないので今日は諦めることにしよう。


 間違っても私は勇者じゃないのだ。

何かに目覚めて限界突破するのではないのだ!

とはいっても元死神なんですけどね。


 とりあえず今日は酒!

飲むぞー!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ