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私実は天使でした②
「でもモルエルは雨の中で何してたの?」
モルエルは少しモジモジしてはにかんだ様子で答えてくれた。
「実は.......天使見習いの合宿でこの日本を監察してたんですけど、迷子になってしまいました」
彼女はあはは.......と言って悲しそうな顔に。
「それは災難だね。もしかして、迎えに来たりするんじゃないの?」
「実は天使というのは人に見られてしまったら、もう天界に戻れないんです。」
「それってどういうこと?」
私は不思議に思ってそう尋ねた。
「天使は人に見られると、天界への扉を開けれなくなるんです。過去に私の兄もそれで戻ってこられなくなりました。」
「それはとても残念だね。もしかしたら私たちの周りに天使がいるかもしれないのかな?」
「可能性はあります。」
もうこれ以上聞いたらモルエルが悲しそうになるからもうやめよう。
「じゃあもう深いことは気にせず私の家で過ごしなよ」
モルエルは天使のような嬉しそうな顔をして「よろしくお願いします」と言った。