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次の日の午前中さっそくおじいさんへのお礼にサクヤちゃんに甘いものを作ろうとした。
材料はふるった小麦粉、卵、ミルク、それとハチミツだ。
作るのはホットケーキ。…は多分無理だからパンケーキ。まぁ、ホットケーキとパンケーキの違いは諸説あるが薄くて甘くないからパンケーキで良いだろう。
そして、いつものごとくシャルちゃんに丸投げ!
一応はなんとなくの作り方は教えてある。配合がわからないので料理スキルに期待だ。
シャルちゃんにパンケーキの種を任せ、俺は外でかまどを組み立て始めた。
ここにはフライパンがなく、普段の肉は鍋か串焼きがほとんどだ。その為パンケーキを焼くものが無いので鉄板ならぬ石板で焼こうと思ったのだ。
かまど…というか、バーベキュー用のかまどのように地魔法でコの字型を作り、表面も裏面もツルツルの石板を作り出す。
厚い方が良いのか薄い方が良いのかわからないので厚さの違う石板を三種類ほど作っておいた。
台所に行くとシャルちゃんは大量の種を用意していた。器のなかを覗くとほどよい固さの種になっていた。
さすがシャルちゃんだ。
昼にはまだ少し早いがシャルちゃんと外に出てかまどへ向かった。とりあえず試しに一枚焼いてみよう。
まずは真ん中の厚さの石板を火魔法を使い温める。魔法を使っているので火加減の調整はやり易い。
ここでもシャルちゃんの料理スキル頼りになるのでシャルちゃんに言われた通りに火加減の調整をする。
石板が温まりシャルちゃんがパンケーキを焼き始める。
その頃になると子供達がまわりに集まってくる。
皆何を作っているのか興味津々のようだ。
少し焼いた後パンケーキをひっくり返す。フライ返しは無いのでお好み焼きに使うコテ?擬きを地魔法の石で作ってある。
さすがに薄くてツルツルに加工するのはちょっと疲れた。そのおかけで二個しか作ることは出来なかった。
ひっくり返したパンケーキはこんがりきつね色に焼けていた。さすがはシャルちゃんだ。
少したってもう一度ひっくり返して、一応串を刺して生焼けしてないかを確認し、完成だ。
出来上がりは見た目は文句なしだろう。というか、俺の話だけでよくここまで出来たな…。
そんなことよりも味見だな。
皿の上のパンケーキを六等分にし、ハチミツをかけて食べる。
うん、昔食べたものに比べると甘味も軟らかさも足りないが、十分美味しい。シャルちゃんも満足そうで、子供達は今にもヨダレを垂らしそうだ。
味見をし、シャルちゃんはパンケーキの量産に入った。石板を使っているので同時に何枚も焼けるが、人数が50人近くいるので大変だ。
まぁ、働きに行ってる子もいるので全ての子が今いるわけではないが。
周りにいる子達に昼食の準備をしてもらい俺は焼き上がった熱々のパンケーキをアイテムボックスにしまっていった。
パンケーキの種が無くなり全てのパンケーキを焼き終わった。
シャルちゃんはちょっとお疲れのようだったので魔法で癒してあげた。
お昼になり皆にパンケーキを配り始めた。子供達は順番に取りに来てハチミツをかけていく。
本当はバターなんかも欲しいがあるのかわからないので使えない。
サクヤちゃんはハチミツをたっぷりかけていた。
そして、皆が席につきパンケーキを食べ始めた。
そして、食べた皆は笑顔になった。
おじいさん以外は…。




