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次の日は仕事は休みなので、まずは皆で装備の整備を始めた。

革の鎧…まではいかないが、革の服をイリヤちゃんと妹ちゃん、それと冒険者予定の女の子に渡し洗濯&ほつれなどの確認をしてもらう。


クルス君達男の子組には剣と盾の整備をお願いした。

剣はまだ無理だが盾は一人一つあるので自分の分は自分で管理してもらう。

剣は俺が手本を見せた後、石のナイフや矢じりを地魔法で出し砥の練習をしてもらった。


孤児院の10歳未満の子供達には大ガエルの解体を頼んだ。いつものホーンラビット等よりはモモ肉しか取れるところは無いので簡単だろう。

これだけ解体していればスキルも獲られるだろう。大ガエルは大量にあるので順番に解体してもらおう。

解体には水を大量に必要とするが俺が魔法で出すので問題ない。魔法の事をばらす前は井戸で汲んでいたが魔法で出してからは随分楽になった。


魔法をばらしてからは練習を欠かさなかった。夜の灯り、料理の火、水、少し頑張りお湯を作ることにも成功している。また、温風や冷風にも挑戦してみた。

こんな世界だから攻撃魔法の研究をするのが正しいのだろうが、孤児院の境遇、前世の便利さを考えれば致し方あるまい。


その後は各自分担し、解体の続き、薪割り、従魔の世話、家庭菜園の管理等をおこなった。

従魔の世話は俺もしているが、他にも仕事があるし、孤児院の子供達は従魔達を気に入っているのでお願いしている。

家庭菜園は竜の森で採れた植物を植え続けている。新しく香辛料の種を見つけたので使えるならばありがたいのだが…。


俺は矢じりや石のナイフを量産し何人かの子供達と木でイスやテーブル、棚等を作った。

また、地魔法で石のコップや皿、水瓶等の壺を作ってはアイテムボックスにしまった。


夕方が近づいてくると子供達が俺の方をチラチラ見だし、落ち着かなくなってきた。

うん、これはあれだね、いつものご飯を期待しているんだろうね。

俺は作業をキリの良いところで終わりにし、解体が終わった大ガエルのモモ肉を回収し、シャルちゃんの元へ向かった。

カエルの他の部位は前に作ってあった大きな壺に入れてあるのでそれも回収してある。どこかで処分しないとな。


調理場のシャルちゃんの所へ着くと、シャルちゃんはすでに唐揚げの準備をしていた。


「やっぱり来ましたね。」


「あれだけ皆に見られるとね…。」


「果物を採ってきたときもそうでしたからね♪」


「まぁ、わかりやすくて良いんだけどね…。」


「じゃあ、皆の期待に応えて頑張りましょう!!」


シャルちゃんの掛け声と共に俺は唐揚げ作りを開始した。


と言っても蛇肉をアイテムボックスから取り出しただけだが…。


「そうだ、シャルちゃん、今日はこれも使ってみて?」


俺は先ほど皆に解体してもらった大ガエルのモモ肉、昨日解体した毒ガエルのモモ肉をアイテムボックスから取り出した。


「これは大ガエルの肉ですか?」


「うん、大ガエルと毒ガエルの肉だね。」


「毒!?」


「あぁ、おじいさんから肉には毒がないって確認したから大丈夫だよ。蛇肉の代わりになるかと思って狩ってきたやつだから、味見をしてみないとね。」


「そうですか、なら、腕によりをかけて頑張っちゃいますね!!」


シャルちゃんはその言葉通り手際よく調理していく。

そして、一時間ほどで、蛇肉大ガエル毒ガエル、塩ハーブスパイシー、三種×二味の計六品が完成した。


やっぱり唐揚げは出来立てが美味しいと思うので出来上がってはアイテムボックスにしまっておいた。

大ガエルと毒ガエルの唐揚げはおじいさん達用に何個か取っておいた。



夕食の時間になり子供達が集まった。子供の数が増え食堂がかなり狭くなったが皆きちんと並んでいる。

だが、俺がアイテムボックスから唐揚げを取り出し配膳すると皆のお腹が大合唱を始めた。

食前の挨拶をし、食事が始まると戦争が始まった。

しかし、ものすごい勢いで食べてはいるが、不公平にならないように年上組の子達が肉を取り分けているのを見るとほっこりした。

どうやら大ガエル毒ガエル共に美味しかったみたいだ。

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