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狩り場に着いた俺達はまたおじいさんが連れてきたゴブリンの相手をしていた。
クルス君に関しては元々一人で倒せていたが、剣を研ぎ、レベルも上がり、修行の成果が出たのかゴブリンなら一振りで倒せるようになった。
イリヤちゃんに関しては石の鏃は予想以上に効果があった。ゴブリンは場所によっては身体を貫通し、ファングボアは木の矢では弾かれたのに刺さるようになった。
妹ちゃんに関しては投げナイフや手裏剣擬きは種類が多くまだまだ確認は続く。しかし、ゴブリンやファングボアに刺さるようなので武器として有効なようだ。
ハンマーボーラもバランスの良いのを見つけるのに難航している。
まぁ妹ちゃんはまだ若いから色々試すべきだろう。
若いと言っても同い年だけど…。
矢や投げナイフ等が効果が出たのでより一層のチームワークが必要になるだろう。間違ってクルス君に当たったら大変だ。
今回の相手はゴブリン単独をそれぞれ戦い、そのあとは複数のゴブリンを協力して戦った。
その後ゴブリンナイト、ゴブリンアーチャー、ゴブリンメイジ等の上位種とそして、上位種混じりの複数のゴブリンと戦った。
今までのゴブリンは木の棒を振り回すぐらいしかなかったが、上位種のナイトは剣術っぽい動きをするし、アーチャーからは矢が、メイジからは魔法が飛んでくる初めての体験に俺達は慣れるまでが大変だった。
最後は前回同様オーク戦だ。前回の戦いでオークの力を経験しているのでクルス君は回避しながらの攻撃をしていた。クルス君の剣は前回よりも深く傷をつけ、矢や投げナイフは傷を付けることに成功していた。
皆の攻撃が効果を発揮し始めたのは良いことだが、ファングボア等の皮や毛皮が素材として売れる場合は傷が増えると価値が下がるため、今後は攻撃も控えた方が良いかもしれない。
オークとの戦いを数戦行い俺達は小屋予定地に帰った。
おばあさんにまだ必要ないが唐揚げの材料として蛇肉とボアの脂身を渡しておいた。
シャルちゃんから塩ハーブやスパイスを貰えば調理可能だろう。
おじいさん達と別れ、孤児院に着くと忘れないうちにシャルちゃんに塩ハーブとスパイスを用意してくれるように頼んでおいた。おじいさん達からも調味料代としてお金を少し預かっていたので渡しておいた。シャルちゃんの事だから明日ばっちり用意してくれるだろう。
次の日は二組目のペアとの採取だ。
女の子の方にイリヤちゃんの短弓を持たせているので、イリヤちゃんには俺が作った弓矢を渡してある。ボウガンを作るためにまずは弓矢を作ってみたのだ。一応試してみたが矢は飛んだので普段弓を使っているイリヤちゃんに試してもらいたかったのだ。
採取は順調に進み、おじいさんに聞いた香辛料を探してみたり、レインボーキャタピラー用の餌となる草を回収した。
狩りの方もホーンラビットならば恐怖もなく倒せるようになった。まだ一人では難しいだろうが、レベルが10になりスキルを得ればなんとかなるだろう。
そして、俺達は怪我をすること無く採取を終え孤児院に帰ることが出来た。




