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次の日の朝俺は金縛りにあった。
いや、妹ちゃんに抱き締められて身動きが取れなくなっていた。
昨日出掛ける用意をしているのを見て、夜中布団に侵入し俺を捕獲していたようだ。
妹ちゃんを起こして離すようにお願いしたが、イヤイヤして離してくれない。
いつまでも起きてこない俺達を見に来た子供達も困っている。
院長先生を呼んでなんとか離したが、今度は泣き出してしまった。
その後頭を撫でたりほっぺをすりすりしたり抱っこしたりと色々し、泣き止む頃には一時間近くたっていた。
予定よりかなり遅くなったが、俺は竜の森に向けて出発した。院長先生に許可はもらったが、他人から見たら明らかな保護対象な人間なので前回同様人目につかないように移動する。
歩きながら自分のステータスを確認した。この間シャルちゃんに
「これだけ果物採れたなら採取のスキルがあるかもね」
とステータスの見方を教えて貰ったのだ。
ステータスは名前や年齢性別種族後はスキルなどが載っていた。
ゲームなどによくあるHPやMPとかは存在しなかった。たしかにHPなんていくらあっても心臓一突き、首チョンパで即死だろうからね。筋力なんかも数値じゃ表せないみたいだ。
そして、確かに採取のスキルがあった。って言うか、スキルがそこそこ増えていた。子供だと覚えが早いのかな?
とりあえず他人に見られてもおかしくない位にはスキルを隠蔽しておかないと。
まず神様からもらった
異世界言語・アイテムボックス・鑑定・魔力操作・隠蔽
これは当然隠す
次に魔法系
地水火風と光闇、後は生活魔法も覚えてた。まだこの世界の魔法がどの程度広まってるかわからないから、これも消しておこう。
身体強化も魔法か?だが、これがないと3歳児が竜の森になんか行けないから、これは表示しておこう。
その他は
採取・魔力探知・魔力隠蔽・気配察知・気配隠蔽・回復上昇
を覚えてた。魔力探知、隠蔽以外は表示しよう。
これでコソコソ採取する人間が出来た。
これ、物理的な攻撃手段がないから早めにナイフか投擲覚えたいな
==ステータス==
名前:シュウ
性別:男
年齢:3
種族:人族
レベル:1
職業:孤児
スキル:身体強化・気配察知・気配隠蔽・採取・回復上昇
こんな感じかな
ってか、俺まだレベル1だったんだ……。
ステータスをいじってるうちに竜の森が見えてきた。今日は出発が遅かったので馬車にはほとんど出会わなかった。
人目につかない場所に移動し、休憩をとる。
30分ほどしたら、前回の果物の基点を探しに行こう。今回は新しい果物も見つけたいところだ。
前回同様薬草類や枯木を拾いながら果物を回収した。前回から1週間しかたっていないが、やはり魔力が多いと発育が良いのか実は増えていたので前と同じくらい取れた。リンゴモドキとオレンジモドキを手に入れた後は、新しい食べ物を探しに行った。
途中投擲スキルを獲るために地魔法で石を作り出し、投げる練習もした。
その後二種類果物を見つけ、山芋馬鈴薯も見つけることが出来た。今回はキノコも見つけた。鑑定では食用とでていたが、薬にもつかえる種類があったので院長先生かシャルちゃんに確認してもらおう。
今回は種類も多かったので一種類の個数を少な目にして、アイテムボックスに保管しておく。少しずつアイテムボックスの中身も増やしたいな。
そんな事を思いながら早めに孤児院に帰るのであった。
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