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その後は槍や弓、斧や鎚等も確認したが掘り出し物は見つからなかった。
掘り出し物チェックを終えた俺はクルス君の所へ向かった。
クルス君は一本の剣を持って眺めていた。
「お、来たか!」
「クルス君それにするの?」
クルス君が持つ剣は両刃のロングソードだった。他の剣と違いキラキラ輝いている。
「おうよ、これが一番綺麗だからな、一番良い剣だろ!!値段も高いし。」
俺はクルス君の持つ剣を鑑定してみる。
おぉう、とんだナマクラだ…。
素材の鉄は良い物のようだが、品質も耐久値も低い。見た目重視な作品なようだ。
おそらく見習いか新米が作ったんだろう。
ベテランがこの素材で作ればもっと良い物が作れそうだからな。
「クルス君、それはやめた方がいいよ?多分鑑賞用だよ。」
「なに!?」
そこへおじいさんもやって来てクルス君に話しかけた。
「お主、そんなナマクラを選んだのか?」
「師匠まで!?」
「小僧、狼の小僧に武器の見方を教えてやれ。」
「あ、はい。クルス君、武器は基本的に戦闘に使うものだから丈夫な物を選ぼう。それから性能も大事だよ。剣なら切れ味とかかな。」
「そ、それくらい知ってるさ…。」
「その上で素材や付与能力を選んでいくんだよ。まぁ、この店には付与のついた武器は基本的に無いだろうけどね。後は自分が使いやすい武器かどうかだね!!」
「あ、あぁ、常識だな。」
「じゃあ、クルス君はそれが自分に一番合った武器だったんだね?」
「お、おう!!」
クルス君、俺の方を向いて答えてよ…。
「まぁ、冗談はこれくらいにして、クルス君今言ったことを参考にして選んでみて!!」
「わ、わかった!!」
クルス君はさっそく剣を選び始めた。
でもクルス君は鑑定をもっていないので片刃、両刃のロングソードから重さや握り等が合うのを何本か選ぶだけだったが。
「お~い、シュウ、この辺りが良いと思うんだがどうだ?」
「そうだなぁ~、今は握りや重さで選んだだけ?」
「あぁ、正直剣の良し悪しはいまいちわかんねぇからなぁ…。」
「最初はそんなもんで良いんじゃない?後は素材を確認して、性能の良し悪しは経験で選ぶしかないんじゃないかな?」
「そうか?ならえっと、素材は全部鉄製だな。値段の差も無さそうだし、素材の差はそんなに無いんじゃないか?性能は……こっちの方が良さそうか?」
クルス君が選んだのは切れ味が一番良さそうなロングソードだった。
「うん、多分それが一番良く切れる剣だと思うよ!!」
「ほんとか!?ならこれに決まりだな!!」
「あ~、いや、今回はこっちにしよう?」
そう言って、俺は両刃のロングソードを出した。
「ん?なんでだ?これが一番性能良いだろ?」
「うん、性能って言うか切れ味は一番なんだけど、作りがいまいちだから耐久値が低いんだよ。逆にこっちの剣は切れ味はいまいちだけど、作りがしっかりしてるから変な使い方をしなければ長持ちするよ。(それにここだけの話、このレベルの剣なら多分俺が研いで切れ味を良くできると思うんだ。)」
「そうなのか!?じゃあ、これにするか!!」
「一応おじいさんにも確認してみるね。」
ということで、後ろで見ていたおじいさんに確認してみた。
「そうじゃな、このランクの剣なら、小僧が整備するならこっちが良いじゃろう。」
おじいさんに合格を貰ったので、さっそく購入した。購入したのはクルス君用のロングソードに『切れ味増加』の折れた剣に呪われたナイフだ。
購入した武器はロングソードはクルス君が装備し、今まで使っていた剣と買った掘り出し物は狼車に仕舞う振りしてアイテムボックスに隠しておいた。
誰が呪われるかわからないから慎重に扱わないとね。
そうして買い物を終えた俺達は孤児院に帰ることになった。




